スマートビルで働く人の健康行動を習慣化、OKIが新サービス開発 鹿島建設で導入へ:スマートビル
OKIと丸紅ネットワークソリューションズは、スマートビルとスマートフォンを連携し、従業員の健康的な行動の習慣化を支援するクラウドサービス「Wellbit Office」を2024年8月から販売する。鹿島建設がファーストユーザーとして、東京都港区の鹿島KIビルに導入を決定した。
沖電気工業(OKI)と丸紅ネットワークソリューションズは2024年7月22日、スマートビルとスマートフォンを連携し、従業員の健康的な行動の習慣化を支援するクラウドサービス「Wellbit Office(ウェルビットオフィス)」を開発したと発表した。2024年8月から販売を開始し、2026年度までに年間1.5億円の売り上げを目指す。
サービスの開発にあたっては、鹿島建設と共同で実証実験を行い、オフィス内での運動行動を習慣化させる効果を確認した。実験参加者の50%以上に意識変化が起こり、階段利用数が36%、歩数が11%向上し、効果が6か月以上継続しているという。鹿島建設はWellbit Officeのファーストユーザーとして、2024年8月から東京都港区の鹿島KIビルで利用を開始する予定だ。
Wellbit Officeは、行動の習慣化を支援するOKIの行動変容プラットフォーム「Wellbit」を活用したサービスだ。従業員の行動データに基づき、独自のアルゴリズムで心理状態を推定して、個人に合わせた健康行動を誘発するメッセージをスマホアプリを介してタイムリーに通知する。建物内の階段や通路、エレベーターホール、執務室などに設置したセンサーから収集した位置情報と連携することで、ナッジ(後押し)効果を持つメッセージを提供できる。階段の利用や歩行などの健康行動に加え、適切な休憩、コミュニケーションなどの生産性向上に寄与する行動についても提案や情報提供を行い、習慣化をサポートする。また、健康行動に対するモチベーションを高め、健康行動の継続につなげるためのゲーミフィケーション機能を搭載している。
OKI、丸紅ネットワークソリューションズ、鹿島建設の3社は今後、生産性を高めるオフィス環境の提供を目指し、新しいワークスタイルに順応した建物環境や働き方を支援するツールとして「Wellbit Office」の活用を進める。これにより、健康で快適なスマートビルの構築につなげる。
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