30年の時を経てヤンマー建機の「ViOシリーズ」に第7世代登場 小中規模のICT施工に応える機能:第6回 建設・測量生産性向上展(2/2 ページ)
ヤンマー建機は、1993年の初代機から数えること30周年を迎えた「ViOシリーズ」の第7世代となる最新機種を発売した。新モデル2機種の「ViO30-7/ViO35-7」は、今後の小規模〜中規模現場でのICT建機の活用拡大を見据え、「穴を掘り、持ち上げ、旋回して、排土する」の掘削全プロセスを徹底的に見直したスペックを備える。
マシンガイダンスシステムを装備し、小型建機の新たな価値提案
屋内ブースで展示したViO30-7/ViO35-7は、今後の小規模〜中規模現場でのICT建機の活用拡大を見据え、マシンガイダンスセンサーを搭載している。
ViO30-7には、トプコンの3Dマシンガイダンスシステム「杭ナビショベル」を装着。杭ナビショベルは、建設現場で広く使用されているトプコンのレイアウトナビゲーター「杭ナビ LN-150」を位置情報センサーとして用いる3Dマシンガイダンスのショベルシステムだ。センサーは後付け可で、小規模現場でのICT施工の導入ハードル下げる。
橋本氏は、「現在、マシンガイダンスシステムの油圧ショベルは全体の1割程度しかないが、多くの現場で使用されるミニショベルにも導入が進めば普及率は上昇する」と期待を寄せる。一方、マシンガイダンスシステムのセンサーが高コストで、小型建機を使用する小規模現場ではコストや手間の面から3Dデータ作成が難しいなどのクリアしなければならない課題も多いと指摘した。
ViO35-7には、掘削作業をサポートする日本精機の2Dマシンガイダンス「Holfee(ホルフィー)」を搭載。ホルフィーは電池駆動センサーを使用するため、専用配線は必要ない。センサーが感知したブームやアーム、バケットの角度情報は、無線でゲートウェイユニットを経由して、ガイダンスアプリをインストールしたスマートフォンに送り、切削時の深さや角度を確認できる。橋本氏は、「2Dマシンガイダンスは3Dマシンガイダンスよりも設置や調整が手軽で、誰でもすぐに使いこなせる」と説明した。
デモ運転で、チルトローテータの性能を体感
屋外ブースには、チルトローテータを備えた「ViO80-7」を展示。ViO80-7は、2023年6月に発売した8トンクラス都市型油圧ショベル。都市土木に最適な一台を目指し、8トンクラスでありながらミニショベルのコンセプトを踏襲し、狭小地での旋回や側溝堀りといった細やかな作業が実現する。
ヤンマーTNVエンジンの高出力化や右サイド&リアビューカメラも実装し、従来モデルと比べ作業効率と安全性を改善した。チルトローテータは、バケットやアタッチメントを自由に傾斜や回転させることができる装置で、複雑な作業や狭隘(きょうあい)な場所での作業にも対応できるようになる。
屋外展示場ではViO80-7への試乗の他、プロオペレーターによる操作デモで、ViO80-7の乗り心地やチルトローテータの動きや作業性を直接体験した。
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