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野村不動産とJR東日本の大規模複合開発「ブルーフロント芝浦」、2025年2月に1棟目が完成へプロジェクト(3/3 ページ)

野村不動産とJR東日本が東京芝浦エリアで進める大規模複合開発「芝浦プロジェクト」の街区名称が、「BLUE FRONT SHIBAURA」に決定した。両社は2025年2月にツインタワー1棟目のS棟の竣工を控え、プロジェクトの進捗状況について発表した。

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ワークスペースとデジタルの活用で働き方を選ぶ

 松尾氏はS棟でのワークスタイルとして「ワーカーが自ら働き方を選択できる環境を提供する。そのための2つの重要な要素が、ワークスペースとデジタルの活用だ」と述べた。S棟ではグローバル企業の本社オフィスをベンチマークとして、オフィス総貸室面積の10%相当の共用部を整備する。松尾氏によると「共用部は規模の大きさだけでなく、多様なバリエーションが重要だと考え、建物内や敷地内のさまざまな場所にソロワークやチーム用のスペースを用意している」。

記者発表会後に行われたメディア向け内覧会。建設中のS棟28階内部が公開された
記者発表会後に行われたメディア向け内覧会。建設中のS棟28階内部が公開された
屋外に出られるテラスも整備
屋外に出られるテラスも整備

 共用部の1つ「スカイラウンジ」は、28階のワンフロア全てを共用スペースとし、機能ごとに6つのエリアに分けて整備した。屋外に出られるテラスを含む1500坪に、ラウンジや集中ブース、ミーティングスペースに加えて、フィットネススペースやサウナも用意する。また、多様な共用部をユーザーに合った形で活用してもらうため、ワーカー向け施設利用アプリの開発を進めている。設備の検索機能では、用途や利用人数など機能面の検索に加え、見たい景色やその人のコンディション、マインドに合わせて働く場所を探せる機能を搭載する予定だという。

 松尾氏は「自然を身近に感じるオフィスの中で、その日の自分が求めるワークスペースを、多くの選択肢の中から選べる。多様な選択肢は個人だけではなく、チームにも開かれている。個人の過ごし方を尊重しながら、チームビルディングにも貢献していきたい」と述べた。

1500坪に、機能ごとに分けた6つのエリアを整備
1500坪に、機能ごとに分けた6つのエリアを整備

 これらの取り組みは入居検討中の企業から高い評価を得ており、今後も顧客からの声を施設にフィードバックし、進化させていくとした。なお、S棟のリーシングについて、松尾氏は「現在は7割程度の内定と、極めて順調だ。立地や建物の特性を踏まえて、外資企業からの引き合いも強くなっている」と語った。

本社移転前に「トライアルオフィス」で検証を実施

 野村不動産はS棟への本社移転に向けて、N棟建設予定地の浜松町ビルディングのワンフロアを使用して「トライアルオフィス」を設置。移転対象となるグループ各社の約3000人を対象に、新本社で導入を検討している取り組みの検証を行っている。

 「デジタルツールの活用に慣れることから始め、個人ワーク、チームビルディングに適したスペースの在り方やコミュニケーションの促進に関しても多様な角度から検討している。2024年3月に体験の一巡目を終え、6月から二巡目として、一巡目に出た課題を踏まえてさらなるチャレンジをしていくフェーズに入る。組織の垣根を超えた交流を促す仕組み作りにも挑戦する」(松尾氏)。トライアルは取引先や顧客からの関心も高く、延べ約400件の見学を受け入れたという。

 松尾氏は「今回のトライアルオフィスは、デベロッパーである野村不動産グループとして、オフィスの新たな価値創造につながる取り組みだと自負している」と強調した。

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