パナソニック、電気工事の省施工製品「ハヤワザリニューアル」の販売を強化:省施工(3/3 ページ)
パナソニック エレクトリックワークス社は、電気工事の施工時間短縮や作業負担軽減につながる省施工製品群「ハヤワザリニューアル」の販売を強化する。2024年度にはハヤワザリニューアルの照明商材の売上台数について、2023年度比115%を目指す。
街灯のリニューアルも省施工化 灯具だけ/ポールだけ交換
LEDの街路灯/ローポールライト「カエルミナ」は、ポール受け構造を階段状にすることで、多様な既設ポールの先端径に対応する。ポールはそのまま、灯具と電源ユニットの置き換えのみでLED化する。
老朽化したポールの交換を伴う場合にはも、コンクリートの基礎はそのままでポールのみ置き換えられるリニューアル用ポール「QQポール」を使用する。既設ポールを根元で切断し、QQポールに交換した後、再びコンクリートで固める。コンクリート基礎を交換する場合、作業完了まで2日程度かかっていた時間を、約4時間まで短縮できるという。
体育館や工場などの天井が高い場所に設置するLED高天井用照明器具 電源内蔵型 DNシリーズは、従来の手締めのみの設置作業から、電動工具の使用を可能にした。アームと本体を分離構造とし、まずアームを取り付けてから、アームの溝に本体をひっかけ、締め付けて固定する。高所での1人での取り付けも容易になり、作業人員も削減できる。
省施工化製品のうち、2023年4〜12月までのリニューアル専用器具本体、カエルミナ、QQポールの3種類の売上台数は、前年同期と比較していずれも約130%程度アップした。「リピート注文も多いのも特徴だ」(山中氏)という。今後もハヤワザリニューアルに該当する製品のラインアップを拡充していく考えを示した。
省施工製品の採用経験者は「効果がある」と実感
一般照明用の直管/非直管蛍光灯ランプの製造と輸出入は2027年末に禁止される。照明分野では今後、LED化がさらに加速すると予測されている。
一方、電気工事士をめぐっては、高齢者層の退職や入職者の減少などにより人手不足が続いている。2024年4月からの時間外労働の上限規制適用により人手不足はさらに深刻化するとみられ、現場の施工作業の遅延なども懸念されている。
パナソニック エレクトリックワークス社が電気工事の現場施工員や経営者を対象に実施したアンケートによれば、会社が取り組んでいる時間外労働規制の対策方法について、「十分に感じる/やや十分に感じる」と回答したのは、現場施工員の14.6%、経営者の31.3%だった。特に現場施工員は対策が不十分だと感じていることが分かった。
また、省施工製品を採用したことがあるか尋ねたところ、採用したことがあると認識している人は25.7%と約4分の1で、「いいえ」(44.4%)もしくは「分からない」(29.9%)と回答した割合は74.3%にのぼった。
一方で、省施工製品が、24年度以降に予想される人手不足などの課題に効果があるかを質問したところ、省施工製品を採用した経験がある人では「効果がある」(35.2%)と「やや効果がある」(50.3%)を合わせて、85%以上が前向きに捉えていることが明らかになった。採用経験がある人の方が、全体(効果がある/やや効果があるを合わせて68%)よりも省施工製品を高く評価しており、今後の採用意欲も高い傾向にあった。
アンケートの結果、作業効率を高めるうえで、省施工製品には一定の効果が期待されているものの、採用や認知の点でまだ十分でないことが浮き彫りになった。パナソニック エレクトリックワークス社では認知/体験する機会を広げ、普及を推進する。
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