三菱地所が「渋谷」駅直結の延べ8.7万m2再開発に着工、戸田建設らの施工で2027年完成:プロジェクト
三菱地所は、京王井の頭線「渋谷」駅に直結する道玄坂二丁目の再開発に2027年2月末の完成を目指し、着工した。地域の活性化や都市機能の向上、防災機能の強化、道玄坂一丁目と二丁目のネットワークの強化、広場や緑道の整備を行う。
三菱地所は、「道玄坂二丁目南地区第一種市街地再開発事業」で、地下解体工事および新築工事を1月16日に着工したことを発表した。「渋谷」駅周辺での大規模再開発への参画は同社初。完工は2027年2月末を予定している。
戸田建設らの施工で、総延べ8.7万m2のオフィスとホテルを建設
計画では、道玄坂一〜二丁目をつなぐ南北ネットワークを形成し、その結節点に約850平方メートルの広場や緑道を設ける。商業店舗やホテル、広場により、渋谷駅周辺から道玄坂に人々を誘引し、渋谷エリア全体の回遊性の向上を図る。防災機能の強化として、帰宅困難者のための一時滞在施設の整備も予定している。
全体の工事規模は、敷地面積約6720平方メートルに、オフィス棟とホテル棟の合計延べ床面積約8万7100平方メートルを建設する。設計は三菱地所設計・山下設計JV、デザイン監修は北川原温建築都市研究所、施工は戸田建設、ユアテック、関電工、三建設備工業。工期は既存建物の解体工事が2023年2月1日、新築工事は2024年1月16日に着手し、竣工は2027年2月末を見込む。
地下3階/地上30階(塔屋2階)建てのオフィス棟は、京王井の頭線の渋谷駅に直結し、各フロアに1500平方メートル超の貸付面積を備える。地下2階/地上11階(塔屋1階)建てのホテル棟では、テイクアンドギヴ・ニーズが運営する「TRUNK(HOTEL) DOGENZAKA(仮称)」の出店を予定する。120〜130の客室に加え、エリア最大級のルーフトッププール、レストランやバー、スパなどのサービスを備える。開業は2027年夏の予定。
再開発プロジェクトは、地元権利者が中心となりまちづくりの検討が進められてきた。三菱地所は2020年4月から事業協力者に、2022年1月から参加組合員、2022年11月から特定建築者として権利者とともにプロジェクトを進めてきた。
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