静岡県JR富士駅北口の公益施設デザイン決定 富嶽三十六景の「駿州江尻」をモチーフ:プロジェクト
富士市が、JR「富士」駅北口の再開発事業で計画している公益施設のデザイン案が明らかになった。富士市の小長井義正市長が定例記者会見で発表したデザイン案では、紙のような軽やかな建築形式をはじめ、街と一体的につながるお祭り広場、富士山ビューを可能とする富士山テラスなどが提案されている。
静岡県富士市は2024年1月10日、JR「富士」駅北口で計画している公益施設のデザイン案を発表した。基本設計とデザインは、2023年5月に公募型プロポーザルで選定したアール・アイ・エーとマウントフジアーキテクツスタジオによる共同企業体が提案した。
室内と連動した富士山ビューを満喫するテラスを整備
デザイン案では、市にゆかりのある浮世絵師の葛飾北斎が描いた富嶽(ふがく)三十六景の一景「駿州江尻」で、風に舞う風景が描かれた地場生産品の「駿河半紙」のような軽やかな紙をイメージ。完成パースには、富士山を一望できる富士山テラス、街と一体的に広がる祭り広場、本町通りの商店街に続く大きな木の階段などを提示し、「にぎわいが積層し、街へと溢れ出す、市民の活動拠点」をコンセプトに掲げる。
施設規模は、延べ床面積約2000平方メートルで、1階には広場、2階にはブック&カフェ、3階にはキッズスペースやモノづくりを通じてSTEAM教育を行う「ものづくりSTEAM ラボ」、駅からの動線上に富士山を仰ぎ見るテラスを整備する。
富士駅北口の再開発事業は、富士駅北口約1.9ヘクタールを北側敷地の約1ヘクタールと駅前敷地の約0.9ヘクタールに分割。北側は組合施行による再開発事業で店舗、住宅、立体駐車場、公益施設(専門学校)、広場を整備し、駅前は市の事業として駅前広場整備や広場を立体的に活用した公益施設整備を一体的に進める。
2021年度末に都市計画が決定し、2023年7月に事業認可を取得し、再開発組合を設立した。現在は、2025年度の工事着手に向け、北側敷地/駅前敷地ともに具体的な事業計画を作成している。全体の完成は2028年度の見通し。
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