3D点群のデジタルツインで設備管理 エム・ソフトが「MONOLIST」提供開始:現場管理
エム・ソフトは、BIMデータが無くても、現場を3D点群データ化し、設備点検情報をデジタルツインで一元管理する「MONOLIST」の提供を開始した。
エム・ソフトは2023年12月25日、既存建築物の維持管理情報をデジタルツインで一元管理するクラウドサービス「MONOLIST(モノリス)」の提供を開始した。
設備情報などアイテムを点群のデジタルツインで管理
MONOLISTは、設備や機器、損傷などの情報(アイテム)をWebブラウザ上で登録して見える化し、遠隔地での現場状況の把握に役立つ。登録できるアイテムのデータは、参考写真やマニュアル、位置情報、作業記録、メモや申し送り事項のノートなどで、情報を整理する機能では、関連機器のツリー表記や親子構造などデータ階層化、検索、フィルターなどが備わっている。
アイテムの位置情報は、現場の3次元点群データと関連付けられているので、どこに設備機器があるか視覚的に分かる。Webブラウザ上の点群ビュワーでは、高性能なPCやソフトウェア、専門知識が無くても閲覧できるだけでなく、距離や面積、体積、断面図などの測定も行える。
現場での点検は、エム・ソフトのiPad用クラウドサービス「Pinspect Check+(ピンスペクト チェックプラス)」を使う。Pinspect Check+は、作業計画作成やiPadアプリによる点検、電子承認、報告書の自動作成の機能を搭載。このうち作業計画では、設備点検やメンテナンスの作業手順を図面や参考写真付きでチェックリスト化し、作業の抜け漏れ防止につながる位置情報ともリンクした作業手順書を作成できる。
点検結果は、Check+で記録するとMONOLISTの各アイテムに自動でひも付けられる。そのため、アイテムに対応した作業内容や履歴を蓄積していくことで、問題発生時には過去に遡って原因を特定するのも可能になる。
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