【独自調査】平均年収は増加傾向で全産業平均を上回るも、男女間の格差は広がる:建設業の人材動向レポート(50)(3/3 ページ)
本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は、建設業で就業している正社員の給与動向と推移についてリサーチした。
■建設業での男女間の賃金格差は、全産業平均よりも大きい
男女間の賃金格差(女性の平均年収÷男性の平均年収で算出)をみると、建設業は2012年以降一貫して全産業平均よりも格差が大きい。2022年には全産業平均の74.4%を4.7ポイント下回る69.7%で、2021年の72.4%から、男女間の賃金格差が大幅に拡大している結果となった(図表5)。男女間の賃金格差が大きい要因は、建設業では女性は年齢が上がっても平均年収が男性ほど増加しないことがあると推察される。
2022年における男女別の平均年収カーブをみると、建設業では年齢階級が上がるにつれて年収格差が拡大していき、男女ともに平均年収のピークとなる50〜54歳では、男性の平均年収が713万円なのに対し、女性は450万4000円となり、その差は262万6000円(賃金格差63%)となる。全産業平均でも女性の平均年収の上昇率は男性よりも緩やかではあるが、男女ともにピークとなる55〜59歳において男性の平均年収は701万7000円、女性は489万2000円となり、その差は212万5000円(賃金格差70%)と、建設業よりも賃金格差は小さい(図表6)。
このことから、建設業の男女間の賃金格差が大きい要因の一つは、女性は年齢が上がっても平均年収が男性ほど増えないことにあると推察される。
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ヒューマンリソシア
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