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ウェザーニューズとオムロンが小型気象IoTセンサーを共同開発 局所的な現場の天候をリアルタイム観測で“減災”へ:維持管理(3/3 ページ)
ウェザーニューズとオムロンは、狭小な現場でも設置しやすい小型の気象IoTセンサー「ソラテナPro」を共同で開発した。高性能のIoTセンサーで現地の気象をリアルタイムで可視化し、建設現場の安全対策などに役立てられる。
農業やキャンプ場運営での活用例を紹介
ソラテナProは既に多様な業種の事業者で導入されている。京都で京野菜の「九条ねぎ」を栽培する「あぐり翔之屋」では、畑の天候を分析するために活用している。強風時には、ねぎが倒れてしまうため、風速8メートルを通知する値とし、超えた場合には風から守るビニールを用意してねぎの安定的な育成につなげている。
静岡県賀茂郡南伊豆町にある「南伊豆 夕日ヶ丘キャンプ場」を運営する「TEN-PO」は強風による山火事防止のため、ソラテナProで風向と風速の風情報を分析している。2日先までの西風の予報をもとに、“心配なし”“用心”“注意”“閉鎖”の4段階でリスク分けし、風速13メートル毎秒以上だとキャンプ場を閉鎖。火の粉が風で舞いテントやターフに穴をあけたり、周囲の草木に燃え移ったりしかねない、風速10毎秒以上では、たき火やバーベキューの実施判断に用い、安心・安全なキャンプ場の運営に貢献しているという。
上山氏は、「他にもドローン飛行や建設現場、工場倉庫、教育など業種業態を問わずにセンサーの需要は高まっている。そうした幅広いニーズに、ソラテナProは応え、活躍の場を広げていくだろう」と期待を込めた。
ソラテナProの販売形態は、購入または1カ月からのレンタルで、月額料金にはアプリ/PC版の利用料を含み、ソラテナPro1台につきアプリのアカウント3つまでは無料で付与される。
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