KOLC+が「Navisworksアドイン」を提供開始 ID付与など4D工程表の最適化を実現:BIM
BIM/CIMモデルをクラウド上で共有できるクラウドサービス「KOLC+」が、Navisworks専用アドインの提供を開始した。双方の連携で4Dモデルの最適化と安定したデータ連携が実現する。
コルクは、BIM/CIM共有クラウド「KOLC+(コルクプラス)」で、設計モデルを重ねて検証する「Autodesk Navisworks」の専用アドインを2023年7月13日から提供開始した。KOLC+(3Dプラン)契約の全ユーザーに追加費用なしで提供される。
BIMソフトウェアと工程表の管理クラウド「KOLC+ 4D工程表」とのデータ連携を大幅に強化し、動作パフォーマンスとデータマネジメントを大幅に改善した。
「KOLC+ 4D工程表」の大幅アップデートも
KOLC+ 4D工程表は、BIM/CIMモデルと工程表を連携し、クラウド上で4D施工シミュレーションを共有/編集できる工程管理クラウド。Autodesk Navisworksのタイムライナー設定から自動生成し、タブレット端末(iPad)にも対応している。
これまでのKOLC+ 4D工程表では、Navisworksのタイムライナー情報にIDが無く、データ連携時に制約や手間が発生し、大規模モデルでは動作パフォーマンスも課題だった。
そのため、コルクは独自に設計した「Navisworksアドイン」を開発し、4Dモデルに最適化(ID付与など)を行う仕組みを導入した。安定したデータ連携が可能になり、大幅なパフォーマンスとメモリ使用量の大幅な改善が実現した。特に大規模モデルでは、数倍の効果が表れるという。
さらに、4D工程表で編集した工程データを、Navisworks(NWDファイル)に簡単に反映できる「TimeLiner CSVインポート機能」も搭載した。「データソース」機能での煩雑なインポート操作は不要となり、上書き更新するデータの差分表示にも対応し、誰でも安全に4Dモデルのデータ同期が可能となった。
新しいエラーチェック機能では、KOLC+ 4D工程表の動作に問題がないかをNavisworks側で事前にチェックできるようになった。工程データの入力検証だけでなく、シミュレーション動作の設定やモデルのアタッチ状況なども細かく診断し、手戻り防止につながる。さらに、属人化しやすい4Dモデル設定を標準的な「型」にはめ、4Dモデルのチェックや引継ぎの省力化ももたらされる。
今回のNavisworksアドインに伴い、4D工程表(クラウド)も大幅にアップデート。4Dシミュレーション動作の「建設」「仮設」「解体」に、「撤去」を追加した。他にも、Navisworksの「シミュレート」と同じように、スライダー位置で施工中のタスクだけの表示、分単位スケールの3段階切り替え、スライダー位置のURL共有なども実装している。
KOLC+ 4D工程表の利用料金は、月額3万円(50GB/100ユーザー/税別)。Navisworksアドインは、KOLC+(3Dプラン契約)の全ユーザーであれば追加費用無しで提供される。
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