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オートデスクが「AutoCAD 2024」を発売、機械学習の導入で2D/3D設計作業の時間短縮CAD

オートデスクはAutoCADの新バージョンをリリースした。2024年版のAutoCADには、機械学習を用いた複数の自動化機能を搭載し、設計作業の時間短縮に貢献する。

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 オートデスクは、建築設計者やエンジニア、施工担当者向けCADソフトウェア製品「AutoCAD」の新バージョンを2023年3月29日に発売した。

 構成する製品群は、「Autodesk AutoCAD 2024」、建築設計や3Dプラント設計など7分野のツールセットパッケージ化した「Autodesk AutoCAD Plus 2024」、2022年発表のWeb版「Autodesk AutoCAD Web」、Mac用「Autodesk AutoCAD 2024 for Mac」。

図面の比較、オブジェクトカウント、ブロック追加などを自動化


出典:オートデスクプレスリリース

 AutoCAD 2024では、「アクティビティーインサイト」や「スマートブロック」機能など、より生産性を高める新機能が追加された。また、機械学習技術を用いた「マークアップ読み込み」や「マークアップ アシスト」機能も強化。こうした新機能と機械学習によって、設計ワークフローの自動化がもたらされる。

 新機能のうち、アクティビティーインサイトは、設計者間のコラボレーション時に起きる情報ギャップを解消し、プロジェクトのライフサイクル全体を通じて、複数のユーザーがローカルやLAN、クラウドサーバに保管したDWGファイルに常に接続できる。

 Merrick デザインテクノロジー シニアスペシャリスト Michael Shurgalla氏は、アクティビティーインサイトについて、「以前は、公開された図面ファイルの情報を探し出し、それがいつ公開されたのかを確認したりする必要があった。場合によっては、30分もかかっていた作業が、アクティビティーインサイトによってすぐに見られるようになった。その他のタスクも、1〜2分の時間短縮となり、全て合わせると、相当な時間の節約となる」とコメントを寄せている。

「アクティビティーインサイト」
「アクティビティーインサイト」 出典:オートデスクプレスリリース

 スマートブロック置換は、機械学習に基づく提案や最近使用したブロック、手動による代替ブロックの選択で、必要なブロックを素早く見つけて1つまたは複数のブロックを置き換える。強力な自動化機能によって、これまで手作業でブロックを探してインスタンスごとに置き換えていた時間を節約できるようになる。

「スマートブロック置換」
「スマートブロック置換」 出典:オートデスクプレスリリース

 また、スマートブロック配置では、DWGファイル内の配置状況を学習し、次のブロックの挿入時に配置位置を提案して、回転角度や尺度も自動調整するので、クリック数が減り、作業工程における時間削減につながる。

「スマートブロック配置」
「スマートブロック配置」 出典:オートデスクプレスリリース

 マークアップ読み込みとマークアップアシストでは、拡張された機械学習や基本的なエクスペリエンスの改善で、デスクトップPC、Web、モバイルデバイス間で図面を安全に共有し、確実に注記を設定できる。マークアップ読み込みは、PDFや出力した紙図面からフィードバックを読み込み、変更を自動的に図面に反映。強化されたマークアップ アシストでは、既存の図面のテキストを更新し、対処済みのマークアップはフェード表示される。AutoCAD Plusに含まれるAutoCADでは、機械学習を利用してマークアップテキスト内の特定の指示を検知し、「移動」「コピー」「削除」などコマンドのショートカットが可能になる。

 Electronic Contracting Company ドラフティングコーディネーター Brett Graverholt氏は、「AutoCAD 2024 のマークアップ読み込みとマークアップ アシストで、図面の編集や変更にかかる時間が10〜15分程度は短くなった」と話す。

「マークアップ アシスト機能」
「マークアップ アシスト機能」 出典:オートデスクプレスリリース

 2022年に発売したAutoCAD Webは、現場でWebブラウザやモバイルデバイスから必要なCAD図面の作成、表示、編集、注釈付けを行える。

 AutoCAD 2024、AutoCAD Plus 2024のサブスクリプションには、Web版やモバイル版のAutoCADへのアクセス権も含まれており、新たなグループとのコラボレーションが実現し、外出先でも関係者とアイデア共有が可能となる。

 Web版AutoCADでは、AutoLISPも備わっており、AutoLISPを利用してカスタマイズすることで、一連のコマンドをWeb版 AutoCAD上で自動化。ローカルファイルへのアクセスやローカルドライブ、LANに保存した自分のDWGファイルにもアクセス。さらに、リボンを作図領域の上部にドッキング表示したり、PDFへの一括パブリッシュ、マルチテキストの文字スタイル/文字高さ/書式の変更、モバイル版AutoCADで外部参照で図面を開いたりといったことにも対応する。

 AutoCAD 2024のパフォーマンス強化では、2Dグラフィックをはじめ、AutoCAD 2023に比べてレイアウトタブ間の切り替えを最大9倍高速化するなど、安定性や忠実性、パフォーマンスの向上に貢献するスペックを搭載。AutoCAD 2024のインストールは、AutoCAD 2023との比較で最大2倍高速化されている。

 AutoCAD 2024 for Macでは、AppleのM1、M2チップのMシリーズのチップとIntelの両方のシリコンアーキテクチャで、ネイティブに動作対応する。Apple シリコンのサポートにより、全体的なパフォーマンスが 2023 バージョンと比較して最大2倍向上している。

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