川田テクノロジーズと川田工業、3Dデジタル溶接マスクシステム販売開始:製品動向
川田テクノロジーズおよび川田工業は、3Dデジタル溶接マスクシステムの販売を開始した。溶接士の目線での溶接状況を画像合成技術を用いてデジタル化し、溶接保護面内のHMDにリアルタイムの3次元映像として表示するものとなっている。
川田テクノロジーズおよび川田工業は2023年3月8日、3Dデジタル溶接マスクシステムの販売を開始したと発表した。2023年1月に製品第1号を職業訓練校に納入している。
同製品は、溶接士の目線での溶接状況を画像合成技術を用いてデジタル化し、溶接保護面内のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)にリアルタイムの3次元映像として表示するものだ。
ダイナミックレンジは160dB以上。溶接電源から取得した溶接電圧や溶接電流値をHMDの溶接映像に重ねて表示できるため、それらの情報を確認しながら溶接作業を進められる。
デジタル化した画像や電圧、電流値といった情報は、共有や記録、録画が可能。リアルタイムでの溶接映像を複数人で共有できるほか、模範となる溶接映像と実際の溶接の様子を後に比較して確認できる。
また、録画した画像をクラウド上の専用ソフトにインポートすることで、溶接者の技量を定量化できる。具体的には、画像処理によって得た溶融池面積やアーク軌跡の時間変動量、電流値変動量を評価することで、運棒動作を数値化するものとなっている。
3Dデジタル溶接マスクユニット「WTS-MS-M1」はサイズが340×250×320mmで、重量が1.6kg(ケーブル除く)。HMDの内蔵解像度は1920×1080(左右)、25コマ/秒以上となった。
また、コントロールユニット「WTS-CT-M1」はサイズが400×113×295mmで、重量が5.1kg(ケーブル除く)。録画データや解析データの記録機能を備えており、300Gバイト以上のストレージを内蔵した。
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