大和ハウスのマルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻II」着工、花巻市と協定締結で災害時の物資集積施設に:ロジスティクス
大和ハウス工業は2023年3月15日、マルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻II」を2024年3月の竣工を目指して着工した。施設は、地元自治体の花巻市と締結した災害協定に基づき、非常時には支援物資の集積場所として提供する。
花巻市と大和ハウス工業は2023年3月15日、同日に着工したマルチテナント型物流施設「DPL岩手花巻II」を対象に、「地震などの災害発生時における物資集積協力に関する協定書」を締結した。
花巻市で2棟目となるマルチテナント型物流施設
花巻市では、これまで地震、局地的な豪雨や台風による洪水、土砂崩れなどのさまざまな災害への備えとして、他の行政機関や事業者などと災害時応援協定を結んでいる。2020年7月には、大和ハウス工業がDPL岩手花巻を建設するにあたり、地震などの災害発生時に、支援物資の一時保管や集積場所として活用することを目的とした「地震などの災害発生時における物資集積協力に関する協定書」を締結。今回、DPL岩手花巻IIでも、同じ協定をとり交わすこととなった。
大和ハウス工業は、全国で特定顧客専用の物流施設「BTS(Build to Suit)型物流施設」やマルチテナント型物流施設を開発し、これまでに348カ所、総延べ床面積で約1243万平方メートルの物流施設の開設を手掛けてきた。岩手県内では「DPL岩手北上」や「DPL岩手金ケ崎」など8棟、総延べ床面積約12万8000平方メートルの施設を開業した。このうち、花巻市のDPL岩手花巻が満床になったため、隣接地に2棟目としてDPL岩手花巻IIを建設した。
DPL岩手花巻IIは、平屋建て延べ床面積1万9255.31平方メートル、最大3テナントの入居が可能で、約6200平方メートルの区画から入居できるマルチテナント型物流施設。マルチテナント型物流施設は、テナント企業が建設費や維持管理費を抑えられ、自社専用で建設するBTS型物流施設と比べ、多様化する物流ニーズの中で事業開始までの期間を短縮できるメリットがある。
建設地は、東北自動車道「花巻インターチェンジ」から約1.4キロと近接し、釜石自動車道や秋田自動車道へのアクセスも容易なため、岩手県内だけではなく、北東北エリアへの配送拠点として優れている。また、JR東北本線「花巻空港」駅からは約1キロ(徒歩約12分)に位置し、周辺の住宅街からも通勤に便利で、職住近接の就労環境が整っている。
想定しているテナント企業は、半導体や自動車部品関連、インターネット通販事業者、小売業者、東北方面への配送業者に加え、近隣に工業団地も点在しているため、工業団地内で生産する商品の保管場所としての利用も見込める。
施設設備は、雪や雨などの天候の影響を受けずに、荷物の積み下ろしや通行ができる最大20台の接車に応じるトラックバースを屋内に整備。併せて、各区画には事務所を設置でき、従業員約120人が雇用されることを想定し、120台分の従業員用駐車場と30台分の駐輪場も設けている。
「DPL岩手花巻II」の建物概要
DPL岩手花巻IIの所在地は、岩手県花巻市二枚橋第5地割216他。敷地面積は3万7069.78平方メートル。構造・規模は、S造平屋建てで、建築面積は2万409.22平方メートル、延べ床面積は1万9255.31平方メートル、賃貸面積は1万9040.53平方メートル。事業主は大和ハウス工業、設計・施工は平野組。着工は2023年3月15日で、完成は2024年3月15日の予定。
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