ロジクトロン、荒川下流で大型運搬用ドローンによる物流実証実験:ドローン
ロジクトロンは荒川下流部で緊急支援物資の運搬および大型運搬用ドローン飛行時の騒音計測を行い、55分間で約250メートルを9往復、約230キログラムの緊急支援物資のピストン輸送に成功した。
ロジクトロンは2023年1月20日、国土交通省が主催する実証実験で、緊急支援物資の運搬および大型運搬用ドローン飛行時の騒音計測を行った。その結果、55分間で荒川を渡河するルート(約250メートル)を9往復、約230キログラムの緊急支援物資のピストン輸送に成功した。
同社が所有する産業用大型運搬ドローン「XYZ55」はペイロード(最大積載量)が55キログラムの運搬能力を有する機体で2台のプロポを切り替えて運用することが可能だ。離陸地点、荷降ろし地点それぞれでオペレーターが目視により精密な操縦ができる仕様だ。
今回は同機を使用し、災害発生時などにおける緊急支援物資の運搬を想定した実証実験を計画した。実証地は荒川下流域の堀切緊急用船着場と墨田緊急用船着場間で距離は川幅約250メートル。荒川下流部は将来的に河川上空において複数のドローンによる飛行が想定されている。
2023年1月20日、12時より空荷でのテストフライトを実施、13時過ぎより本飛行開始、途中2回のバッテリー交換を行いながら55分間で9往復し、非常食390点や水68リットルを含む約230キログラムの支援物資を予定通り運搬することに成功した。
また、今回の最大重量である50キログラムの水を運搬する際、騒音計測を行った。高度15メートルの機体直下で110デシベル(自動車のクラクション程度)、25メートル地点で80デシベル(走行中の電車内程度)を計測した。
同社は、人口集中地区である東京都23区内において大型機を使用してのドローン物流実証実験は、想定し得る最大サイズの機体で運搬能力や騒音などの確認を行えたという点で成果があったと述べている。
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