“1トン”の積載量を目指す、送電線工事の建材を運搬する東電PGのドローン開発:ドローン
東京電力パワーグリッドは、山間部の送電線工事を対象に、最大1tの資機材運搬を可能にするドローンの実用化を目指し、2019年2月に実証を開始する。
東京電力パワーグリッドは、山間部の送電線工事を対象に、大型重量物の安全運搬を可能にするドローン機体の実用化を目指し、2019年2月に実証を開始する。
マルチロータ技術を活用した1tの資機材を運ぶ技術開発
現在、山間部の送電線工事を行う際は、大型の重機や資材など多数の重量物の運搬が必要とされる。そのため、工事のたび、ワイヤロープに吊り下げて運搬する「索道」や貨物用モノレールの建設を行っている。
しかし、この設備建設には、年間数億〜数十億円の膨大なコストを要し、加えて森林を切りひらく樹木伐採は環境負荷がかかることが課題となっていた。
そこで東電パワーグリッドは、より低コストで、環境負荷の低い、新たな資機材運搬方法の研究開発を進めている。開発では、ドローン技術のとくに、「機体中央から放射状に配置された複数のローター(回転翼)を同時にバランスよく回転して飛行する」マルチロータ技術に着目している。
実証実験では、まず10kg(キロ)の資材運搬からスタートし、運用面・安全面に関する評価をしつつ、段階的に積載量(ペイロード)を引き上げ、最終的には1t(トン)を目標に見据える。1tの運搬が実現すれば、山間部送電工事の際に必要な資機材を運ぶことが可能になるという。
実証場所は、福島・南相馬市の「福島ロボットテストフィールド(RTF)」でのテストを経て、実際に山間部の送電線建設工事現場への展開を予定している。
東京電力パワーグリッドは、これまでにもドローン技術を多用途で活用しており、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋内の線量計調査をはじめ、天神原湿原の植生調査などに取り組んでいる。
ここ最近では、鳥獣被害が目立つ“イノシシ”に対して、ドローンに搭載した赤外線カメラによる夜間も含めた生息状況調査や超音波発信機で追い払えるかといった検証も行っている。
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