西松建設が鍵管理システムを開発、共同住宅の現場管理を効率化:現場管理
西松建設はファイバーゲートと共同で、共同住宅の工事現場における鍵管理システムを開発した。専用アプリケーションで鍵の開閉情報を可視化し、鍵の管理業務の省力化を実現する。
西松建設はファイバーゲートと共同で、共同住宅の工事現場における鍵管理システムを開発した。
同システムは、主に共同住宅の工事現場で各住戸の玄関扉にスマートロックを取り付け、専用アプリケーションで鍵の開閉情報を可視化し、鍵の解錠・施錠の遠隔操作を行う。現場技術者が携帯端末から各住戸の鍵の開閉情報を確認、遠隔操作でき、管理業務の省力化を実現する。
共同住宅の工事現場では、侵入者により室内を損傷されないよう、現場技術者は、毎日膨大な戸数の鍵を解錠・施錠している。加えて、現場作業員への急な鍵の貸し借りなど、移動に伴う作業時間のロスや鍵の閉め忘れといった課題もある。このように、現場の鍵管理は現場技術者の大きな負担となっている。
同システムでは、現場の各住戸の玄関扉に設置したスマートロックにより、操作した鍵の開閉情報がWi-Fiルータを経由してIoTプラットフォームに送信される。その情報がIoT デバイス集中管理サービスのクラウドに連携され、現場技術者がスマートフォンやPCなどから専用のアプリケーションを開いて、鍵の開閉情報を確認できる。
鍵の遠隔操作では、個別の住戸の鍵の開閉操作ができる。さらに建物内でフロアごとの鍵の開閉操作や、全住戸の鍵を一斉に解錠・施錠することも可能だ。
鍵の開閉情報の可視化と鍵の遠隔操作により、現場での移動時間を削減し、現場技術者の鍵管理業務の負担の軽減、省人化および省力化が期待される。また、現場作業員への物理的な鍵の貸与が不要となり、鍵の閉め忘れを防止でき、現場のセキュリティ強化が図れるとしている。
2023年度は、同社の工事現場で運用上の課題抽出を行い、次年度は機能拡張も検討しながら社内展開し、その後、業界全体への展開を検討するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 西松建設とジオマシン、山岳トンネル油圧ショベルの無線遠隔操作システム
西松建設とジオマシンエンジニアリングは、山岳トンネル施工に用いる油圧ショベルの無線遠隔操作システム「Tunnel RemOS-Excavator」を開発した。油圧ブレーカーの走行や切羽でのコソク、あたり取りといった作業を無線で遠隔操作できる。 - 供用中の橋梁を遠隔監視、カメラとセンサーで維持管理を効率化
西松建設と大日本コンサルタントなどで構成するコンソーシアムは、センサーやカメラで供用中橋梁を遠隔監視できるモニタリングシステムのプロトタイプを開発。福岡県久留米市にある築42年の道路橋で実証実験を開始した。道路橋梁の点検後に任意のポイントを継続的にモニタリングできるようにするなど、維持管理コストの効率化や負荷軽減に貢献するシステムだという。 - 2026年度までに全従業員が「eco検定」取得、東急建設
東急建設は、2026年度までに全従業員が「eco検定」を取得する方針を発表した。 - 西松建設らがきくらげの最適な栽培環境構築手法を確立、収穫量の10%アップを実現
きくらげの栽培は、温度、湿度、CO2を計測し、外気温の変化に合わせて、換気扇、暖房器、加湿器などの装置を調整しつつ、コンテナ内の栽培環境を整え、管理を行う。今までは、管理者が、現地を確認し経験や勘によって栽培管理を行っており、効率化が求められていた。解決策として、西松建設と日本きくらげは、環境監視クラウドシステム「OKIPPA_Green」を用いて、最適なきくらげの栽培環境を確立する技術を開発した。