カナフレックスコーポレーションと大成ロテックが業務提携、再エネ用建材の開発や新分野開拓で:産業動向
カナフレックスコーポレーションは、大成ロテックと土木資材や建設資材、再生可能エネルギー用資材の新製品開発を共同で推進することを目的に業務提携を締結した。
建設用資材メーカーのカナフレックスコーポレーションは2023年1月18日、大手道路舗装会社の大成ロテックと建設資材や再生可能エネルギー用の電力配管資材といった新製品開発、新分野開拓を共同で進めることを目的とした業務提携を2022年12月30日に締結したと発表した。
インフラ老朽化を解決する早期の製品開発を目指す
業務提携の項目は、1.カナクリート床版などのカナクリート製土木資材および土木用パイプ・ホース、2.カナストーンなどのカナクリート製建設資材、3.無電柱化工法資材、4.カナスリップ工法の材料と工法、5.風力や太陽光、小水力など再生可能エネルギーの電力配管資材、6.小水力発電用パイプライン資材――の6項目。
カナフレックスコーポレーションは、これまでインフラを支えるパイプ、ホースの他、電線共同溝特殊部や老朽化した管路を更生させるための工法を独自開発し、販売してきた。2015年には従来コンクリートに変わる全く新しい材料である繊維補強軽量セラミックス材カナクリートの開発に成功。通常のコンクリートに比べ、軽量であるにもかかわらず、約3倍の曲げ強度と約2倍の圧縮強度を有し、断熱性にも優れており、カナクリートを使った外壁パネルや放射線汚染土壌を格納するためのカナキューブ、電設用ハンドホールのゼロノック、電線共同溝特殊部のカナクリート特殊部、ぬかるみ用カナクリート床版、カナクリート道路橋床版など、多くの製品を開発し、日本の土木建設やインフラを支えている。
一方、大成ロテックは半世紀以上にわたり、人に快適な道づくりや環境に配慮した舗装を目指し、舗装技術の研さんに努め、道路舗装のエキスパートとして高速道路や一般道路、空港、港湾、街路などの社会基盤整備に取り組んでいる。加えて、住みよい住環境を整える宅地造成工事や上下水道管、電線類のライフラインを地中化する管路工事など、災害に強い街づくりに貢献している。
日本のインフラは高度成長期に建設されたものが多く、老朽化が進んでおり、深刻な社会問題となっている。今後20年で、建設後50年以上経過する施設の割合は加速度的に高くなる見込みで、インフラ老朽化問題を解決するためには早急な更新工事が必要となる。
そこでカナフレックスコーポレーションは、大成ロテックとの業務提携により、共同で研究や開発、設計、試作、製品生産、販売を進めることで、インフラ老朽化に対する優れた製品をよりスピーディーに提供したい考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- アスファルト合材の受発注をクラウド化、大成ロテックとKDDI
大成ロテックとKDDIは、アスファルト合材のオーダーシステムをクラウド化し、顧客のニーズに合わせて機能を追加できるプラットフォーム型オーダーシステム「アスプラネットシステム」を共同開発した。2020年度中に顧客へ提供し、合材工場の省人化と、工場や顧客双方の利便性向上につなげる狙いだ。 - 大成建設が高耐久塗料「T-WOOD COAT」を初適用、半年経過後も木材の美観を保持
成建設は、大成ロテックやフェクトとともに、共同で開発した高耐久木材保護塗料「T-WOOD COAT」を、宮城県内の建物に適用し、対象部の経過観察を行った。その結果、T-WOOD COATが、優れた耐久性を備えていることを確認した。 - 地上点群データと埋設物モデルを統合したCIM、HoloLensで施工箇所を“可視化”して事故防ぐ
大成ロテックは、CIM(Construction Information Modeling)と、MR(複合現実)技術を組み合わせ、道路埋設物を現場で可視化する新技術を開発し、和歌山市内の電線共同溝工事に初適用した。この技術により、通常は見ることのできない、地中の構成物を着工前に確認することで、工事中に起きやすい埋設管の破損事故などが防げる。 - 東名高速の舗装補修工事にICTを全面的に導入
NEXCO中日本は2018年3月〜4月、NEXCO3社で初のICT技術を舗装補修工事に活用した試行工事を実施した。対象工事は東名高速の富士管内舗装補修工事で、ICTによる施工面積は1213m2だった。