アスファルト合材の受発注をクラウド化、大成ロテックとKDDI:製品動向
大成ロテックとKDDIは、アスファルト合材のオーダーシステムをクラウド化し、顧客のニーズに合わせて機能を追加できるプラットフォーム型オーダーシステム「アスプラネットシステム」を共同開発した。2020年度中に顧客へ提供し、合材工場の省人化と、工場や顧客双方の利便性向上につなげる狙いだ。
大成ロテックとKDDIは2020年7月16日、アスファルト合材の受発注をクラウド上で一元化する「アスプラネットシステム」を共同開発すると表明した。
両社が開発に至った理由としては、少子高齢化や産業の多様化による道路舗装業界の労働力不足に対し、施工現場の負担軽減と、道路舗装資材を製造・販売する合材工場での省人化が業界共通の課題になっていることを挙げる。
また、夜間・休日に行われることが多い舗装工事は、夜間や休日の受発注に対応しなくてはならず、従来は電話やFAXなどで応対をしていたため、受発注双方で負荷となっていた。
両社は、課題解決に向け、ICTの導入でアスファルト合材を発注する側の顧客と受注する合材工場の双方で、省人化や利便性の向上を目指し、アスプラネットシステムの構想を検討してきたという。
開発のフェーズ1では、2019年4月にアスファルト合材の受発注システムをクラウド上に構築し、国内工場の7拠点を接続。業務を見える化して、社内連携強化を図り、業務効率化につなげた。発注者とのやりとりは、スマートデバイスでも対応可能とすることで、合材工場と顧客の両方で利便性の向上につなげた。
今回、フェーズ2として、2020年6月にアスプラネットシステムの機能を拡張。追加機能では、製品オーダーや品質管理、営業サポートといったニーズを顧客のPCやモバイル端末から簡単に行うことができるようになった。これにより、大成ロテックと顧客双方のさらなるコミュニケーションの円滑化につながるとともに、利便性向上も実現するという。大成ロテックでは、追加機能含め、2020年度中に新サービスを展開するとしている。
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