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腰の負担を大幅に軽減、清水建設と共同開発した建設向け“アシストスーツ”の性能を体験:メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2022(2/2 ページ)
建設現場の高齢化が進み、健康への不安を抱える作業員が増えている。2022年1月2日には高所作業でフルハーネスの着用を義務付けられ、現場作業で身体に掛かる負担はさらに増加している。こうした作業員の健康を支えるため、腰への負担を軽減するアシストスーツに注目が集まっており、建設業に特化した製品も出始めている。
現場の特徴に合わせて電動タイプの製品を活用する事例も
ユーピーアールでは電動タイプのアシストスーツ「サポートジャケット Ep+ROBO」も提供している。腰の左右にモーターを搭載し、自動センサーで作業員が前掲姿勢をとったときに胸や内腿などの動きをサポートする。アシスト力は最大10キロで、筋肉の活動比率を最大43%軽減できる。
こうした製品も現場に合わせて、さまざまな建設現場で導入されるケースが増えてきた。近年はあるトンネル工事の現場で、作業員がセメント袋を運ぶ際に活用されたとのことだ。
アシストスーツの普及はまだはじまったばかりだ。先ほどの担当者は「現場では高齢者や女性など幅広い方々が働くようになっている。あらゆる方の健康のためにアシストスーツは欠かせないツールとなりつつある」と語った。
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