3次元点群データをWebブラウザで手軽に表示、国際航業が「FusionSpace」をリリース:点群
国際航業は2023年1月17日、3次元点群モデルをWebブラウザ上で表示する3次元点群モデルビュワー「FusionSpace」を開発した。
国際航業は2023年1月17日、複数の計測データを取り込み、3次元で表示する3次元点群モデルビュワー「FusionSpace(フュージョンスペース)」をリリースした。
「KKC-3D」のユーザー向け3次元点群モデルビュワー
FusionSpaceは、2016年から提供を開始した複数の写真を解析して3次元データを生成するクラウドサービス「KKC-3D」のユーザー向け3次元点群モデルビュワーとして開発。手持ちの点群データやKKC-3Dで生成した3次元点群データ、国土地理院の地図、自治体のハザード情報といったオープンデータなど、複数の計測データに対応しており、Webブラウザ上で手軽に表示できる。
KKC-3Dとの連携では、自動生成した3次元モデルをFusionSpaceで読み込み、解析するまでの一連の作業がWeb上だけで完結するため、関係者間での共同編集や情報共有プラットフォームとしても利用できる。
FusionSpaceの特徴としては、クラウドだけでなく、要望によってはオンプレミスにも対応。大容量の点群データでも高速に表示し、地形タイルや3次元モデルも表示させられる。
活用例としては、橋梁(きょうりょう)や河川、道路点検で使う特殊車両のMMS(モービルマッピングシステム)などのインフラ点検分野に加え、災害時の土砂崩れや海岸堤防損壊の把握などを想定。施工管理での利用を見込み、複数時期に取得したデータの比較、ラインやポリゴン描画による距離、面積、体積、断面などの計測といった機能が搭載されている。こうした解析後には、ベクター形式の業界標準フォーマット「SHP」形式での出力が可能で、 GIS ソフトウェアで利用できる。
なお、国土交通省では、令和5(2023)年度までの小規模を除く全ての公共工事におけるBIM/CIM原則適用に向け、段階的に適用範囲を拡大。令和3(2021)年3月には3次元モデル成果物の作成方法と要件を示した「3次元モデル成果物作成要領(案)」が公表されており、FusionSpaceは作成要領に基づき、作成されたデータを取り込んで、編集することが可能となっている。
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