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藤沢市でICTを活用した法面や急斜面の“崩落”危険予知の計測を開始、メインマーク維持管理

メインマークは、メインマーク・ストラクチュアル・コンサルティングと藤沢市、埼玉大学などと産学官連携で進めている研究の一環で、人が体感できない微振動も感知できるICTセンサーを藤沢市内に計15基設置し、振動データの計測を開始した。センシング技術を活用して、法面の災害予兆を検知する取り組みは、全国で初めての試み。

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 メインマークは2022年12月19日、グループ会社のメインマーク・ストラクチュアル・コンサルティングと藤沢市、埼玉大学、損害保険ジャパン、朝日航洋と、ICTセンサーを同年12月9日と同月16日に藤沢市内に設置し、振動データの計測を開始したと発表した。ICTセンシング技術を活用し法面の災害予兆を検知する取り組みは全国で初めてとなる。

体に感じない微振動も含めたデータも収集

 近年、国内では、地球温暖化や気候変動を背景とした豪雨や台風などの自然災害が増加。老朽化が進んだ道路法面や橋梁(きょうりょう)、土砂災害の危険度が高い公園緑地や山林の急斜面などで、土砂崩れや落橋事故が多発し、住民の安心安全を確保することが求められている。そのため、政府は、災害から国民の命と暮らしを守るため、“国土強靭化”をはじめとする防災・減災対策の取り組みを強力に進めているところだ。

法面にICTセンサーを設置
法面にICTセンサーを設置 出典:メインマークプレスリリース

 今回の産学官連携による共同研究では、ICTセンシング技術を活用して法面や急斜面の変化を計測し、災害予兆を遠隔でいち早く把握し、損害保険ジャパンによる防災/減災に役立つ保険商品やサービスの開発について検討していく。

 さらに、土砂災害などによる被害を最小限に抑えるための備えにも貢献。人命を守り、管理者側の安全確保や業務の効率化に加え、減災対策の突発的な支出を保険で補填(ほてん)することで、経済的合理性の向上を目指す。

 計測にあたり、2022年12月9日には藤沢市内の道路沿い法面にICTセンサー9基、同月16日には公園内の法面に6基を設置して振動の計測を開始した。収集したデータはクラウド上に保存し、法面の変化を分析する。研究そのものは2024年3月末まで進め、災害の予兆が検知できるかを検証する。

 研究の特長としては、崩落の直接的な原因となる豪雨や地震による大きな振動だけでなく、体に感じない微振動も含めたデータを収集して分析できることにある。地盤情報の分析を通じて、災害の予兆となる変化を検出し、防災・減災につなげたい考えだ。

研究体制
研究体制 出典:メインマークプレスリリース

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