秋田県の能代港で洋上風力発電施設が商業運転開始、大林組:導入事例
大林組は、秋田県にある能代港で、秋田洋上風力発電(AOW)を通じて、丸紅や東北電力、コスモエコパワー、関西電力などとともに、大型洋上風力発電プロジェクトとして開発を進めてきた能代港洋上風力発電所の商業運転を開始した。なお、能代港洋上風力発電所の取り組みは、商業目的とした日本国内初の大型洋上風力発電プロジェクトだという。
大林組は、秋田県にある能代港で、秋田洋上風力発電(AOW)を通じて、丸紅や東北電力、コスモエコパワー、関西電力など※1とともに、大型洋上風力発電プロジェクトとして開発を進めてきた能代港洋上風力発電所について、「再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)」に基づく商業運転を2022年12月22日に開始した。
※1 関西電力など:関西電力、中部電力、秋田銀行、大森建設、沢木組、協和石油、加藤建設、寒風、三共。
今後は地熱発電や小水力発電を扱う施設の開発も推進
大型洋上風力発電プロジェクトでは、秋田県の秋田港で、秋田港洋上風力発電所の開発も行っている。秋田港洋上風力発電所では、現在、試運転作業と法定検査を実施しており、間もなくFIT制度に基づく商業運転を開始する見込みだ。AOWでは、今後20年間にわたり、能代港を拠点とした運転保守体制のもと、両発電所の運転維持管理を行っていく。
なお、大林組は、2012年から再生可能エネルギー事業として、28基の太陽光発電所や2基の陸上風力発電所、2基の木質バイオマス発電所を稼働(総発電容量225MW)させており、今回のプロジェクトで、洋上風力発電所を追加した。
今後は、地熱発電や小水力発電を扱う施設の開発も進め、再生可能エネルギー事業のフルラインアップ化を目指すとともに、業容拡大を図る。また、多様化する顧客の脱炭素化ニーズに対する最適なソリューションに、事業者として蓄積した知見やノウハウを生かすことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。
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