交通予測モデルを活用した実証実験を大阪・関西万博の開催地“夢洲”で開始、大林組ら:カーボンニュートラル
NTT西日本は、中央復建コンサルタンツや大林組とともに、「大阪・関西万博」の予定地である夢洲で、大規模工事における工事車両の交通量増大を想定し、交通量予測モデルの実証実験を2022年11月にスタートした。今後は、交通量予測モデルを活用した工事車両の時間とルートの変更で、交通渋滞抑制やCO2削減に対する一定の効果が確かめられれば、2023年度以降に稼働する工事現場で実証を進め、全国の大規模な開発工事への水平展開を目指し、サービスを確立していく。
NTT西日本は、中央復建コンサルタンツや大林組とともに、「大阪・関西万博」の予定地である夢洲(ゆめしま)で、大規模工事における工事車両の交通量増大を想定し、交通量予測モデルの実証実験を2022年11月に開始した。
大林組が工事車両管理に必要な指標や要求精度を定義
交通渋滞は、快適な都市の移動を妨げるだけでなく、各種産業の物流を阻害することで生産性の低下を招き、CO2排出にも大きな影響を及す。そのため、近年、LRT※1やBRT※2といった多様な都市交通網の整備が推進されている他、MaaS、パークアンドライドなどを用いた移動の効率化が進められている。
※1 LRT:Light Rail Transitの略で、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良により、乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する次世代型路面電車システム。
※2 BRT:Bus Rapid Transitの略で、走行空間、車両、運行管理などにさまざまな工夫を施すことにより、速達性、定時性、輸送力について、従来のバスと比較して、高度な性能を発揮し、他の交通機関との接続性を高めるなど、利用者に高い利便性を提供する次世代のバスシステム。
しかし、上記の取り組みに応じるインフラを整備するための都市開発工事でも、多数の工事車両が移動し、周辺道路で混雑が発生しており、既存の交通システムを活用した交通渋滞の抑制方法にも大きなニーズがある。
そこで、NTT西日本、中央復建コンサルタンツ、大林組の3社は、渋滞の緩和や工事遅延の回避に向け、交通渋滞抑制に関する協業に2022年4月に合意し、2025年大阪・関西万博の開催予定地である夢洲周辺を対象に、交通渋滞抑制の検討を進めている。
協業の第1弾としては、NTT西日本と中央復建コンサルタンツが異なるアプローチで分析および予測した周辺の交通情報をベースに、大林組が工事車両管理に必要な指標や要求精度を定義し、交通量予測モデルを作成した。
第2弾としては、夢洲周辺の工事現場で使用される工事車両の台数を想定し、交通量予測モデルで、交通量変化のシミュレーションを構築し、効果を確認する実証実験を行っている。
実証実験は、2022年11月から2023年3月にわたり、大阪市此花区、住之江区、港区(夢洲エリア周辺道路)で、プローブカーデータ※3や近隣施設のイベント情報などを活用するとともに、交通量の解析や交通量のビッグデータ分析を実施し、都市の交通渋滞抑制を目指して、交通量予測モデルの効果を検証する。
※3 プローブカーデータ:自動車をセンサーと見立てて、走行中の多数の自動車から通信ネットワークなどを通じて得られる多様な情報(位置、速度など)。
具体的には、大規模な開発工事で工事車両が増大したケースを想定して、交通量予測モデルを活用し、工事車両の時間とルートの変更を行い、交通渋滞抑制やCO2削減の効果を確かめる。
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