現場で高速・広帯域無線環境の実現を目標にローカル5Gの共同実験を実施、安藤ハザマら:5G
安藤ハザマは、NTT東日本やNTTBPとともに、建設現場で最適な高速・広帯域の無線環境を実現する目的で、ローカル5Gを活用した共同実験を2022年12月にスタートした。今後は、実験結果を踏まえ、安藤ハザマの大規模工事を中心にローカル5Gの導入を図り、他の建設会社へも展開していく。
安藤ハザマは、NTT東日本やNTTBPとともに、建設現場で最適な高速・広帯域無線環境を実現する目的で、ローカル5Gを活用した共同実験を2022年12月に本格開始した。
可搬型ローカル5G基地局の課題検討と評価を実施
建設業界では、労働力不足と作業員の高齢化が深刻化しており、業務の生産性と安全性の向上が求められている。こういった状況を踏まえて、安藤ハザマは、工事の効率化に向けて、データに基づき業務プロセスを改善するDXを推進している。
一方、NTT東日本では、顧客の利用形態に合わせ、さまざまなネットワークを提供するために、光回線やWi-Fiのサービスを展開しているだけでなく、マネージド型ローカル5Gサービス「ギガらく5G」の提供を2022年5月に開始した。NTTBPでは、Wi-Fi環境の構築と運用で培ったノウハウを生かし、ローカル5Gをはじめとする企業向け自営無線システムのコンサルティングと構築・運用業務を強化している。
上記の3社は、共同で建設現場のDX活用に適した、高速と広帯域の無線環境提供に向けて、ローカル5Gを活用した共同実験を開始する。
共同実験では、2022年12月〜2023年3月にわたり、安藤ハザマが施工中の大規模掘削工事現場を実証フィールドとして、無線環境を構築する。構築した無線環境で、安藤ハザマが実際に利用している施工管理アプリケーションの動作確認を行う。
加えて、ローカル5Gの特徴である広帯域と低遅延を生かして、高精細な4K映像で遠隔地から現場状況を確かめられるアプリケーションを用意し、動作確認を実施する。
具体的には、可搬型ローカル5G基地局の課題検討と評価を行い、アンライセンスの無線技術(Wi-Fi、60GHz中継無線)と比較したローカル5Gの有効性を確かめる。また、可搬型ローカル5Gと既存利用アプリケーションとの親和性をチェックし、4K映像を視聴可能なアプリケーションの開発と動作確認も実施する。
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