日本製鉄の「鋼材×利用技術」を提供する建築/土木向けソリューションブランド「ProStruct」:産業動向
日本製鉄は、建物やインフラ構造物の建設市場に対して高度なソリューションを提供するブランド「ProStruct(プロストラクト)」を立ち上げ、2022年10月より運用を開始した。建設市場のさまざまな課題に応える高性能な鋼材製品と高度な鋼構造技術を組み合わせた「鋼材×利用技術」のパッケージを提供する。
日本製鉄は、建物やインフラ構造物の建設市場に対して高度なソリューションを提供するブランド「ProStruct(プロストラクト)」を立ち上げ、2022年10月より運用を開始した。
構造物の強靱化・高機能化、工期短縮やコスト削減に貢献する「ProStruct」
ProStructは、建設市場のさまざまな課題に応えるために、高性能な鋼材製品と高度な鋼構造技術を組み合わせた「鋼材×利用技術」パッケージを、材料〜設計・施工までの総合技術サポートとともに提供することを目指す。
建設市場ではここ数年で、自然災害に備える国土強靱化や労働力不足に対する生産性向上、カーボンニュートラルの推進、建設プロセスのデジタル化など、環境や課題が大きく変化している。
ProStructは、自然災害に対して「強く・安全」な構造物を、「早く・経済的」に建設するために、「使いやすく・確実」な鋼材×利用技術パッケージ(ソリューション)を提供し、構造物の強靱化・高機能化、工期短縮やコスト削減に貢献する。
さらに、こうした強みにより実現する構造の最適化・資材の低減、鋼材加工・組立の高度化による現場施工の生産性向上は、構造物の建設プロセスでCO2排出量の削減にもつながる。先ごろ発表した鉄鋼製品の製鉄プロセスを対象にCO2排出量を削減すると認定されたNSCarbolex Neutralと併せ、「環境にやさしく・持続的」な社会の実現にもつながる。
今回のリリースは、鋼材×利用技術のなかで、建築骨組の最適化に対応したハイパービームを用いた工法、インフラ建設における環境負荷低減、狭所や地中障害物などの難施工条件に対応した鋼管杭やハット形鋼矢板を用いた工法など、建築分野向け5パッケージ、土木分野向け5パッケージを第1弾として展開した。
今後も日本製鉄は、新しい鋼材製品や利用技術を開発し、順次ProStructに追加していく予定だ。
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