プラント点検のドローン規制緩和を受け、日本製鉄が高度150m以上や自動運転でもドローン利用拡大:ドローン
2021年8月に、国土交通省 航空局の「航空局標準マニュアル01(インフラ点検)」が一部改正され、従来のインフラ点検に追加し、製鉄所やコンビナートなど大規模プラントの保守でも、補助者無しの目視外飛行が認められるようになった。規制緩和を受け、日本製鉄では、製鉄所でのドローン利用の拡大を図っていく。
日本製鉄は、2021年8月27日に公表されたドローン活用に関する規制緩和を受け、製鉄所でドローンを活用する。
従来規制のあった150m以上の高度でも点検範囲を拡大
製鉄所の敷地は広大で、超高層建築物も多いため、ドローン適用箇所が多く存在する。しかし、従来は、人口集中地区(DID)や空港に近接するため、国土交通大臣の許可や承認が必要で、飛行申請の事務的な手続きの面倒さに加え、補助者配置や飛行高度の制約もあり、24時間365日操業している製鉄所での機動的な利活用には制約があった。
今回、鉄鋼各社からの要望を集約し、日本鉄鋼連盟で関係諸機関と協議・調整した結果、居住区と明確に区切って、第三者の立ち入り禁止やジオ・フェンスの機能活用といった経路逸脱の防止など、防犯・安全の管理が徹底されているエリアに対し、夜間を含めた巡回点検を補助者無しの目視外飛行でも許可できるように、一定条件下での規制緩和が実現。製鉄所でも、年一回の包括申請だけで、24時間365日を通したドローンの利活用が可能となった。
規制緩和の対象は主に、従来制限のあった飛行高度(地表または水面から150メートル以上)での点検や自動運転での広範囲の点検、製鉄所岸壁の海べり飛行による護岸や設備の点検となる。
これにより、点検のための足場設置が不要になるほか、広大な距離にわたる道路や鉄道、ベルトコンベヤーなどの点検自動化、船舶を使用しない護岸点検を可能にするなど、大幅な作業負荷の軽減、コストダウン、安全の確保に加え、新型コロナウイルス感染症対策として3密回避など、さまざまなメリットが見込める。
日本製鉄では、関西製鉄所和歌山地区で包括申請を実施しており、他製鉄所でも順次申請を進め、ドローン利活用を拡大していく。
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