岐阜県土岐市のイオンモールで音を用いた空間演出を初導入、TOA:導入事例
TOAは、イオンモールや鹿島建設とともに、2022年10月7日に岐阜県土岐市土岐津町でオープンした「イオンモール土岐」で音を用いた空間演出「良い音モール」を行っている。良い音モールは、「音」による付加価値で商業施設の魅力を高める試みで、イオンモールとして初めての取り組みだという。
TOAは、イオンモールや鹿島建設とともに、2022年10月7日に岐阜県土岐市土岐津町でオープンした「イオンモール土岐」で音を用いた空間演出「良い音モール」を行っていることを2022年10月7日に発表した。
スピーカーの直接音を届けられるポイントを増加
良い音モールでは、「音響改善の取り組み」と「音による空間演出の取り組み」を行っている。音響改善の取り組みでは、来館者がモール内のどこを歩いていてもBGMやアナウンスが均一に聴き取れるように、スピーカーの設置間隔を狭め、従来店舗と比較して2倍以上の台数を設けた。
さらに、スピーカーの直接音を届けられるポイントを増やし、音の溝間隔を短くすることで音圧偏差を少なくして、通路を歩いていても音がしっかり聞こえる環境づくりを行った他、適正な音響に配慮した放送ゾーニング設定と音響調整を実施しており、空間に合わせた音づくりで快適な音環境を構築した。
なお、日や時間帯によって異なる混雑状況に合わせて、騒音の大きさを自動で検知しスピーカーの音量調整を行い、館内は常に最適なボリュームが保たれるようにしている。
音による空間演出の取り組みでは、建物内のエントランスに完備した「ウェルカムスピーカー」や施設内に配置されたテラス「TOKINIWA TERRACE」とフードエリア「TOKINIWA DINING」でサラウンドシステムの活用を行っている。
ウェルカムスピーカーは、聴景デザイナー監修の「TOKIオリジナルサウンド」を使用し建物内のエントランスで音楽を流す取り組みで、来館者がモールに足を踏み入れた瞬間に楽しめる仕組みとして機能している。
TOKINIWA TERRACEでは、土岐の豊かな自然に調和した音を、エリアごとに「静」と「動」をさりげなく変化させ、テラスのベンチに座ってリラックスして過ごす来館者の過ごし方や外遊してアクティブに過ごしたい来館者など、さまざまな来館者の滞在時間に寄り添う心地の良い空間を提供。
TOKINIWA DININGでは、森の神秘的な美しさを表現したオリジナル環境音とサラウンドシステムにより、まるで自然に包まれているかのように感じられる空間を創出している。
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