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三井住友建設、独自工法「揺動制震システム」を初適用:新工法
三井住友建設は、独自工法の「揺動制震システム」を建設中の自社寮に初適用した。今後は、倉庫や工場などの新築や改修を対象に、システムのさらなる適用拡大を目指している。
三井住友建設は、独自工法となる「揺動制震システム」を建設中の自社寮に初適用したと2022年9月9日に公表した。同システムにより多層階の水平変形を一箇所に集約し、少ない制震ダンパー数で制震性能が向上し、優れた制震性能で地震後の継続使用や早期復旧を実現する。今後は、新築や耐震改修への適用を積極的に提案していき、サステイナブルな社会の実現につなげる。
少ない制震ダンパー数でコストダウン実現
今回初適用となった同社の「揺動制震システム」は、従来よりも少ない制震ダンパー数でコストダウンを実現しつつ、効果的に揺れを制御することができる。構成は、建物の多層階に渡って架設するタイロッド部、地震時の揺れを吸収する制震ダンパー部、制震ダンパーを安定して作動させる揺動機構部の三点。タイロッド部が架かっている多層階の水平変形を揺動機構部に集約し、同部をシーソーのような仕組みにすることで上下方向の動きに変換後、スムーズに制震ダンパー部に伝えることが可能になった。
同社は今後、倉庫や工場などの生産施設などに対し同システムへの適用を積極的に提案していく予定だ。地震後の構造物の根本的な倒壊を防ぐことで継続的に利用可能な建物の維持管理を実現し、持続可能な社会を目指す。
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