「地方と都市の新たな関係性を作る」、ハチハチ×日建設計×ロフトワークが地方創生の新会社「Q0」設立:地方創生(2/2 ページ)
「Q0」は、ハチハチ、日建設計、ロフトワークの3社が合同で設立した新会社。複数の地域を拠点とし、日本が抱える社会問題の改善や地域コミュニティーの醸成を目指す。既に秋田県の秋田市とにかほ市、富山県の富山市と南砺市の4エリアで、ゼロエネルギー、家具や古民家の再生を軸に、2025年までに20件のプロジェクトを展開する。
秋田では産官学で、ゼロエネルギーの暮らしや食の視点で循環経済を構築
Q0が目指すのは、問題解決の道筋を見いだす「人」の発掘と、多くの人を巻き込みながら成長する「コミュニティー」の創出だ。そのためには、都市と地方のあいだで双方をつなぐ活動の「場」が重要になる。人、コミュニティー、場を生み出し、地方と都市の双方で、環境や持続可能性といった社会問題に対する解決の糸口を探るという。
現在、予定されているプロジェクトは、秋田県と富山県にそれぞれ2件で合計4件ある。秋田県では、国際教養大学の学生とともに、ゼロエネルギーな暮らしをイメージしてライフスタイルを刷新する方法を考えるプロジェクトを計画。また、放牧経産牛を扱う畜産農家とは、食を含めたサーキュラーエコノミー(循環経済)の構築を考えるプロジェクトも検討している。
富山県では、循環する家具やライフスタイルの在り方を考える試みと、古民家の再生にゼロエネルギー化を採り入れる取り組みを計画している。富山県には長年続く家具家が多いが、代々続く“シキタリ”があり、新しいビジネスモデルが受け入れ難い。林氏が示す展望では、従来の家具は、古くなり壊れたら廃棄したが、Q0は回収した家具をアップサイクルし、使えるところを再利用する新しい流れを作る。
Q0では、地方のプロジェクトを2025年までに約20件実施することを目標にしている。林氏は「幅広い地域の悩みや地域の挑戦を聞かせてもらいながら、プロジェクト件数を増やしていきたい」と意欲をのぞかせた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 日建設計、日本の森林保全に向けた木材活用「どこでもつな木キット」販売開始
日建設計は木質ユニット「つな木」シリーズの第2弾である「どこでもつな木キット」を販売開始した。日本の森林保全に欠かせない木材活用の促進を目的に開発、木材を適切に使い続けることが木材資源の循環を促し、森林の維持につながると考える。 - 日建設計らがリモートでの避難訓練に対応するVRを開発、PCやスマホで体験可能
日建設計とジオクリエイツは、リモート下での避難訓練に対応するVRを開発した。日建設計では、2020年と2021年に、東京都千代田区飯田橋の東京本社ビルで行った50〜100人規模の避難訓練で今回のVRを実運用している。 - 日建設計、既存建物の環境価値向上を図るコンサルティングサービス開始
日建設計は、既存建物の環境価値向上を図るコンサルティングサービスを開始した。サステナブルな建物運用を支援するツール「Arc」を用いて、「LEED O+M」認証取得などをサポートする。 - 中小規模の工事でBIM活用拡大、日建連の動向調査
日本建設業連合会(日建連)は2018年7月4日、BIM(Building Information Modeling)の優良事例をまとめた「施工BIMのスタイル 事例集2018」を発刊した。前回の事例集2016から掲載企業数を拡大し、施工BIMの適用場面が一つの作業所内で多岐にわたり始めたことを考慮し、取り組み内容ごとに成功要因、創意工夫点、次回改善点、生産性向上への貢献度などを共通のフォーマットで図版を中心に紹介している。 - 発注者が受注者にBIM要望を正しく伝えるための“ガイドブック”を日建設計が公開
日建設計は、発注者と受注者の間でBIMデータの活用方法を「EIR(発注者情報要件)」によって、的確に共有できるためのガイドブックを公開した。 - 構造と施工のBIM連携を後押し、日建設計が構造BIMツールを無償公開
日建設計は、Autodesk Revit用の構造デザインパッケージ「SBDT(Structural BIM Design Tool)」を公開した。業界内で構造BIMモデリングルールを統一し、設計後の施工やFM(ファシリティマネジメント)領域でBIMを活用しやすくする狙い。