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レベル4を見据え、ドローン落下時にパラシュートを射出する日本化薬の「PARASAFE」Japan Drone2022(2/2 ページ)

ドローンの社会実装が近づく今、注目を集めるドローン用パラシュート装置。2021年12月に、最大離陸総重量25キロの産業用ドローン向けパラシュート装置「PS(PARASAFE) CA12-01」を上市した日本化薬は、さらなる軽量化と利便性、安全性を追求した改良を進めている。

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ドローン用パラシュートの安全規格に適合する商品開発も

 「PS CA12-01」は、最大離陸総重量25キロの産業用ドローンに応じたパラシュート装置。既に実用化されて、2021年12月に販売を開始している。


「PS CA12-01」の展示コーナー。左下のモニターには、開発中の「PS CA06-01」が映っている

 PS CA12-01の筒状パラシュートデバイスの外径寸法は、直径130ミリで高さ154ミリ。本体の重さは930グラム。120グラムのトリガーデバイスと合わせても、1キロに収まる設計となっている。


2021年12月に販売が開始された「PS CA12-01」(左)とトリガーデバイス(右)

 パラシュートデバイスをドローン本体にボルトで取り付け、パラシュートデバイス本体から出ている紐(ひも)とドローンを結束して使用する。パラシュートの面積は11平方メートルで、搭載重量25キロ時の落下速度は毎秒6メートル(理論値)、最低展開高度は30メートル。

 ブースでは他にも、現在開発中のデバイスも陳列。このうち「PS CA15-01」は、PS CA12-01と同じ筒状の容器に15平方メートルのパラシュートを格納したパラシュートデバイス。離陸総重量は50キロまでになる予定。


左から「PS CA12-01」、他は開発中の「PS CA15-01」「PS CA12-01締結版」「AST(オートトリガーシステム)」

 「PS CA12-01締結版」は、パラシュートの紐がパラシュートデバイス内部に締結されている製品で、ドローン本体にパラシュートデバイスを取り付けるだけで使用きる。

 「AST(オートトリガーシステム)」は、ドローンとは独立したセンサーで飛行中の姿勢などからドローンの異常を自動で検出して、パラシュート装置を起動(射出/展開)するシステム。レベル4を想定し、目視外での異常にも応じる機構となっている。


「AST(オートトリガーシステム)」

【ph07】「AST(オートトリガーシステム)」。

 PS CA12-01の販売開始から半年が経ち、日本化薬の担当者は「レベル4での飛行解禁が目前に迫り、問い合わせは増えている」とし、ドローンパラシュートへの関心の高まりに期待を寄せる。今後の普及に向けては、「さらなる軽量化と、多様なドローンにすぐ搭載できる汎用性が課題だ」と話す。

 日本化薬は現在、PARASAFE以外にも、世界最大級となる民間規格制定機関の「米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials:ASTEM)」が策定する規格「ASTM規格」のドローン用パラシュートに関する安全規格「F3322-18」に適合する商品開発も進めており、グローバルでの空の安全性の確立を目指している。

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