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レベル4を見据え、ドローン落下時にパラシュートを射出する日本化薬の「PARASAFE」Japan Drone2022(1/2 ページ)

ドローンの社会実装が近づく今、注目を集めるドローン用パラシュート装置。2021年12月に、最大離陸総重量25キロの産業用ドローン向けパラシュート装置「PS(PARASAFE) CA12-01」を上市した日本化薬は、さらなる軽量化と利便性、安全性を追求した改良を進めている。

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 2022年度末には「有人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル4)」の解禁が見込まれるなど、日本のドローン産業は、いよいよ実証実験から社会実装のフェーズに移行しつつある。ドローン飛行の安全確保がこれまで以上に求められるなか、「Japan Drone2022|第7回−Expo for Commercial UAS Market−」(会期:2022年6月21〜23日、千葉・幕張メッセ)で注目を集めていたのが日本化薬のブースだ。

ドローン落下時に、パラシュート射出で、降下速度を減速


パラシュートを展開した状態のドローンが展示されていた日本化薬のブース

  日本化薬は創立1916年で、100年以上の歴史をもつ化学品メーカー。「火薬」「染料」「医薬」「樹脂」の領域で、時代のニーズに応えるさまざまな製品の開発を続けてきた。

 日本化薬が今展で出品したのは、産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE(パラセーフ)」。電池切れやモーター故障、障害物との接触、信号ロスト、バードストライク、突風などが原因でドローンが落下したときに、「トリガーデバイス(火工品)」を遠隔操作し、瞬時に「パラシュートデバイス」からパラシュートを射出して開き、安全にドローンを落下させる仕組みだ。

 日本化薬では、これまでに自動車のエアバッグ用ガス発生装置など、自動車安全部品の開発/製造/販売をグローバルに展開してきた。そのため、ドローン用パラシュートには、20年以上の実績を持つエアバッグ用ガス発生装置の技術が生かされている。

 ブース正面に展示していたのは「PS CA06-01」。現在、開発中の小型ドローン用パシュート装置。外径寸法120×140×90ミリの丸みを帯びた長方形で、本体の重さは500グラム。ドローン機体上部の平らな面に、ボルトで固定し、別途で発火装置のトリガーデバイスも取り付ける必要がある。


従来製品の筒型フォルムとは異なり、丸みを帯びた長方形をしている「PS CA06-01」

 格納されているパラシュートの広さは6平方メートル。離陸することができる最大値となる最大離陸総重量は15キロまでに対応し、15キロを積載した際の落下速度は理論値で毎秒7メートル。今後、誤作動防止装置が実装される予定で、年内販売開始を目指している。

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