電気設備業界の2022年度下期予測レポートをH&Companyが公開:産業動向
電気設備業界専門の求人サイト『工事士.com』を運営するH&Companyは、国土交通省が公表した「設備工事業に係る受注高調査結果(2021年度)」をもとに、2022年度下期の予測レポートを公開した。
電気設備業界専門の求人サイト「工事士.com」を運営するH&Companyは、国土交通省が公表した「設備工事業に係る受注高調査結果(2021年度)」をもとに、2022年度下期の予測についてまとめ、レポートを公開した。
契約を結んだ工事の請負金額分である「受注高」は、前年度比6.2パーセント増の1兆6530億円となった。同社は受注高が増えている理由の1つとして、省エネ対策などの目的で電気設備に絡む助成制度が国から数多く出されていることから、電気設備の更新や機器の導入に踏み切る事業者が多くなっていることを挙げた。IoTや次世代通信に関連した工事の増加やコロナ対策が進んでいることも踏まえ、2022年度下期の電気設備業界においてはさらなる業績改善が期待できるとした。
一方で、契約済の工事における請負金額のうち、施工が完了した部分の金額を示す「施工高」は前年度比1.7パーセント減の1兆5651億円となった。同社によると、新型コロナウイルス対策で工場などが閉鎖となったことや、ウッドショックの影響で資材が足りず、住宅設備工事の延期・納期の遅延などが発生したことで、電気設備業界もそのあおりを受けているという。
また、受注したものの施工できていない工事も多かったことから、「手持ち工事高」は1兆1257億円となり、過去2年を上回って推移。全体を民間工事と官公庁工事に分けると全体の8〜9割を民間工事が占めているため、今後の民間工事の推移が電気工事市場に大きな影響を与えると予測した。
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