回転する風力発電ブレードのドローン点検事例、DJI JAPAN産業用ドローン体験会:ドローン(2/5 ページ)
DJI JAPANは、埼玉県春日部市の「春日部みどりのPARK」で、DJI JAPANメディア向け産業用ドローン体験会を開催し、ドローン業界の動向や同社の概要や主力製品について紹介した。さらに、kiipl&nap ドローン部 部長 兼 長崎支店長の入柿雅一氏が登壇し、DJI製ドローンの活用事例を説明した。
累計の販売台数は1万台を超過
DJI JAPANのコウ・ケイ氏は、「当社は、2017年に農業用ドローンを発売し、2017〜2018年に300台を売り上げた。2021〜2022年には3600台の農業用ドローンを販売しており、順調に出荷台数を伸ばし、累計の販売台数は1万台を超え、DJI製農業用ドローンのオペレーターライセンスを保有する人の数は2万人を超過し、農薬散布面積は37万ヘクタールに到達している。売上が伸長する要因は農薬散布の効率化やアフターサービスなどが農家から評価されている点にある。一例を挙げると、これまで農作業者は1ヘクタールの農地に農薬を散布するのに1時間かかっていたが、当社が販売している農業用ドローン“AGRAS MG-1P”では1ヘクタールの農地に農薬を散布する時間が10分と短い」と語った。
続けて、「最新の農業用ドローンとして、2021年10月1日に国内で発売した高性能農薬散布用ドローンの“AGRAS T30”を紹介する。AGRAS T30は、液剤タンクの最大容量が30リットルで、搭載されたダブルプランジャーポンプにより最大で毎分8リットルの噴霧を実現している他、装着された8つの流量計で噴霧量をリアルタイムに制御し、取り付けられた16個のノズルで9メートルの散布幅での農薬散布を行える。加えて、内蔵された液面計でリアルタイムに農薬の残量を確かめられ、適切な農薬の補充ポイントを見える化し、最大で1時間あたり16ヘクタールの農薬散布作業が可能だ」と話す。
AGRAS T30の操作方法に関して、果樹モードを選択すると、機体のアーム角度が果樹園に対応した角度に変形し、噴霧方向を制御して樹木や葉の形状に的確に散布する。また、対象エリアのマッピングが行えるドローン“PHANTOM 4 RTK”を用いて、果樹園の3Dデジタルマップを作り、クラウド上のプラットフォームを介して、AGRAS T30に共有することで効率的な飛行経路を作成できる。
機体は、保護等級IP67の評価を受けており、防水性や防塵性にも優れ、折りたたみトラス構造を採用しており、サイズを80%までコンパクト化して運べる。安全性については、機体の正面と背面に設けたFPVカメラで、オペレーターが操縦用の視界を確保しているだけでなく、備えられている球形レーダーシステムで障害物を検知し、全方向の障害物自動回避を達成している。
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