東急建設らが構造見守りサービス「4D-Doctor」の簡易版判定システムを提供開始:ICT
東急建設と東急リニューアルは、構造見守りサービス「4D-Doctor」の簡易版判定システムとして、手軽に取り付けられる「4Dlite」を開発し、提供を開始した。
東急建設と東急リニューアルは、大地震時から平常時まで建物構造の健全性を見える化する構造見守りサービス「4D-Doctor」の簡易版判定システムとして、手軽に取り付けられる「4Dlite」を開発したことを2022年8月9日に公表した。
4D-Doctorよりも安価に導入が可能
4Dliteは、東急建設と東急リニューアルが共同開発したシステムで、2020年度に東急グループが管理している建物で検証試験を実施し、有効性が確かめ、サービス提供を行っている。
一方、4Dliteは、東急建設が開発した4D-Doctorに実装している解析アルゴリズムを応用したシステムで、新耐震基準※1を満たす建物のうち、高さ31メートル以下の建物を対象とした。さらに、4D-Doctorよりも規模の小さい建物をターゲットとしているため、より安価に導入が可能。なお、導入時のシステム設計、設置、運用サービスは東急リニューアルが担当している。
※1 新耐震基準:1981年6月1日以降に建築確認で適用されている基準。
主な4Dliteのサービス内容は、地震発生後の観測データ解析、建物外避難要否と建物構造安全性に関する判定、登録者への被災情報メール発信となる。加えて、地震時だけでなく平常時からの常時微動を観測することができる高感度センサーを採用し、建物の構造健全性を常に評価することで、適切な改修時期などの提案も実現。
今後は、構造見守りサービスの4D-Doctorだけでなく、4Dliteを展開することで、小規模建築から大規模建築まで、構造安全性のチェックや地震発生時の災害対策と発生後の事業継続を後押しする。
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