全館空調システムを標準搭載した住宅タイプを発売、パナソニックホームズ:製品動向
パナソニックホームズは、建設や居住、解体のトータルでCO2排出量をマイナス化する(LCCM、ライフサイクルカーボン)住宅タイプ「カサートX 平屋LCCMモデル」の販売を開始した。カサートX 平屋LCCMモデルは、オリジナルの全館空調システム「エアロハス」を標準装備し、きれいで快適な温度の空気による居住性と省エネを両立することでライフサイクルカーボンを実現する。
パナソニックホームズは、建設や居住、解体のトータルでCO2排出量をマイナス化する(LCCM、ライフサイクルカーボン)住宅タイプ「カサートX 平屋LCCMモデル」を2022年7月20日に発売した。
0.3μmの微小粒子を99.97%捕集できる「HEPAフィルター」を搭載
国内では、地球温暖化による近年の気候変動や国際情勢の影響を受けたエネルギー価格の高騰などを背景に、住宅の脱炭素化や省エネ化が層求められている。こういった状況を踏まえて、政府は、住宅政策で、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及拡大や2022年6月における改正建築物省エネ法の成立といった具体的な取り組みを推進している。
一方、居住時のエネルギー収支をゼロ以下にするZEHに対し、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)の住まいは、建設、居住、解体のライフサイクル全体でCO2排出量をマイナスにする脱炭素住宅で、国策により普及を推進し、補助事業も展開されている。
そこで、パナソニックホームズはカサートX 平屋LCCMモデルを開発した。カサートX 平屋LCCMモデルの特徴は全館空調システム「エアロハス」を搭載している点。エアロハスは、専用エアコン1台で、居室だけでなく廊下や洗面室などの非居室空間も換気と空調が行え、真夏と真冬でも快適な温度で過ごせる。
具体的には、エアロハスは、通常の全館空調システムと比較して、高断熱性能の建物への導入や宅内給気過程の地熱利用、高効率専用エアコンの採用などで、消費エネルギーを約26%減らせる。
エアロハスの専用エアコンが装着された空調ユニットから宅内へ搬送する空気は、0.3マイクロメートルの微小粒子を99.97%捕集可能な「HEPAフィルター」で清浄化した後、送られる。HEPAフィルターはホコリや花粉、PM2.5を捕集し、清潔な空気を家中に届ける。
これにより、太陽光発電システムの搭載量を減少しLCCM対応を実現し、太陽光発電システムの搭載にかかる初期費用を抑えられる他、国の補助金を活用することで、ZEH仕様にする場合と比べて約30万円高い費用にできる。
また、パナソニックホームズが事業会社として属するプライム ライフ テクノロジーズグループは、2050年度までにカーボンニュートラルを実現することを宣言した。
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