ハウスコムがコロナ前後の部屋選びを調査、「街の雰囲気」をより重視:調査レポート
ハウスコムは全国の15〜49歳の男女のうち、コロナ前、後の引越し経験者約600人に部屋選びについて調査した。調査によると、コロナ後に平均家賃が増加し、より街の雰囲気を重視していることが分かった。
ハウスコムは全国の15〜49歳の男女のうち、コロナ後(2021年4月以降)とコロナ前(2010〜2019年)で引っ越しした人・検討した人の約600人に、部屋選びの条件やライフスタイルについての調査を行った。調査によると、コロナ後に部屋の設備や間取りにお金をかける人が増加し、より街の雰囲気を重視していることが分かった。
引っ越しをした(する予定の)賃貸物件のスペックについては、部屋の設備や間取りにお金をかける人が増加し、平均家賃はコロナ前より7086円アップした。
引っ越しで重視した(している)項目は「家賃」に続き、特に「街の雰囲気」は10.2ポイント、「最寄り駅の路線/交通アクセス」は8.8ポイント、「水回りの設備の充実」7.2ポイントと、コロナ前と比較して増加が見られた。同社によると、コロナ禍でも好アクセスの立地が重視されている一方、「街の雰囲気」や「水回りの設備」といった、普段の生活を豊かにする項目がより重視されている傾向にあるという。
引っ越し先の満足度については、100点満中ポストコロナが71.7点、コロナ前が67.4点で、ポストコロナに引っ越しをした人の方が4.4ポイント高い満足度であることが分かった。コロナ前に引っ越した人が不満に感じていることを自由回答で見てみると、「部屋やキッチンが狭い」「壁の薄さ」「騒音」「日当たりが悪い」などの声が上がった。
引っ越しを検討する際の考え方については、「物件は単純なスペックではなく、自分のライフスタイルに合っているかで選ぶ」「学校や会社から遠くても広い物件に住みたい」はコロナ前より約8ポイント増加した。コロナ禍を経て、利便性だけでなくライフスタイルや広さに余裕がある物件に住むことを重視する人が増えている。「家賃が高くても自分の好きな街に住みたい」も増加していることから、好きな街に住むことを優先したいと考える人が増えた結果が、平均家賃の増加にも影響しているのではないかと同社は考察している。
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