建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目指す賃貸マンションに改修へ:カーボンニュートラル
長谷工グループは、建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目標に、賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」の改修工事に着手する。既存の企業社宅を全面改修して運用するもので、全36戸のうち13戸を居住型実験住宅に位置付ける。
長谷工グループは2022年6月13日、建物運用時のCO2排出量実質ゼロを目標に、同月下旬に賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」の改修工事に着手すると発表した。
同マンションは、既存の企業社宅を全面改修して運用するもので、全36戸のうち13戸を技術開発に向けた環境データを収集する居住型実験住宅に位置付ける。実験住宅では、IoT(モノのインターネット)機器やAI(人工知能)を用いた住宅の構築に向けて、各種センサーから得たデータを研究開発に活用する。
改修工事では、内外の断熱性能を向上させるほか、カバー工法によるLow-E複層ガラスやLED照明に設備を更新する。強化外皮基準(UA値)やネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンションの評価基準「ZEH-M Oriented」相当の一次エネルギー消費量を満たすことで、建築物の省エネ性能の評価基準「BELS」認証の取得を目指す。
また、電気とガスを併用した既存のインフラ設備をオール電化に改修し、太陽光発電設備を屋根や外壁、バルコニー手摺に設置するほか、純水素燃料電池を採用する。加えて、再生可能エネルギーによる環境価値を付加した関電エネルギーソリューションの環境価値プラン「Kenes Green Supply」も導入する。
リノベーション工事には、ニチハと共同開発した新築向け複合乾式外壁工法(RC×EX工法)を採用する。既存タイルの上から施工することで、既存タイルの廃棄物を削減する。
材料面では、100%オフセットクレジット(CO2排出権)が付与された国産間伐材を採用する。専有部分では、既存躯体壁の撤去を最小限としつつ、新築と同レベルの住宅設備機器を備えたユニットプランを設計した。
サステナブランシェ本行徳は、敷地面積1651.83m2、延床面積3079.20m2となる予定で、2023年春頃の竣工を予定している。
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