「渋谷マルイ」が木造化!2026年開業に向け英国の建築集団「Foster+Partners」が設計:木造化
渋谷マルイが2022年8月28日に閉店し、2026年に9階建ての木造商業施設へと生まれ変わる。設計のリードデザイナーは、ノーマン・フォスター氏が率いる「Foster+Partners」が担当し、最高水準の持続可能技術を採用して環境負荷を軽減したサステナブル施設とする。
丸井グループは、渋谷マルイを2022年8月28日で一時休業し、2026年のオープンを目指し、日本初の本格的な木造商業施設にリニューアルする。
構造の約60%に木材を使用、S造比で約2000トンのCO2量を削減
渋谷マルイは、1971年の開店以来、ファッションビル「OIOI」のフラグシップとして約50年間営業を続けてきた。1980年代から2000年前半にかけては、トレンドファッションを提供し、近年は、アニメイベントなどのコンテンツも展開するなど、消費者のニーズに合わせて変化。今回の建替えは、今後もさまざまな需要に応えていくための土台作りと位置付けている。
建て替え後は、丸井グループの考える「インパクト」の1つ「将来世代の未来を共に創る」の実現に向けた取り組みを象徴する店舗を目指す。出店テナントも、サステナビリティを意識した、環境負荷軽減や社会貢献に取り組む取引先に特化し、新しい体験を創出する。
計画では、新たな渋谷マルイは地下2階・地上9階建て、売り場面積2800平方メートルの規模となる見通しで、技術革新が著しい耐火木材など構造の約60%に木材を使用し、日本初を標ぼうするサステナブルな本格的木造商業施設として生まれ変わらせる。木は、製造過程でCO2を排出する鉄に比べて、成長の過程でCO2を吸収し、環境負荷をかけない素材。そのため、従来の鉄骨造で建替えた場合と比較して、約2000トンのCO2排出量を削減するという。
建物のデザインは、日本の伝統的な建築技術に着目し、天然素材の使用、太陽光の活用など、自然由来のエネルギーを効率的に用いる。開店後も、再生可能エネルギー由来の電力を使用するなど、最高水準の持続可能技術を採用し、環境負荷の軽減を促進するサステナブル施設とする。
リードデザイナーは、「香港上海銀行新本社」「ロンドン市庁舎」「ミヨー橋」を手掛けたことで知られる英国を代表する建築家のノーマン・フォスター(Norman Foster)氏が、1967年に設立した設計組織「Foster+Partners(フォスター+パートナーズ」が担当。50年以上にわたり、環境に配慮したサステナブルな建築とエコロジーの取り組みで、パイオニアの役割を担ってきた知見を生かして、本格的な木造商業施設を渋谷に誕生させる。
Foster+Partners シニアエグゼクティブパートナー ダビッド・サマーフィールド(David Summerfield)氏は、「世界的に有名な渋谷のスクランブル交差点から目と鼻の先にある画期的で持続可能なプロジェクトに取り組めることをうれしく思う。木造構造は、建物の炭素を大幅に削減すると同時に、来訪者に温かくオープンな体験を提供する」とコメントを寄せる。
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