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大阪市で冷凍冷蔵設備を採用した延べ11.5万m2の物流施設が着工、大和ハウス工業リテール&ロジスティクス

総務省・経済産業省「工業統計調査」によれば、冷凍調理食品の製造品出荷額は2015年の1兆873億円から、2019年には1兆1999億円まで増加している。また、近畿圏の食料品(冷蔵関連)貿易量も増加しており、近畿圏全体で冷蔵倉庫の需要が高まっている。そこで、大和ハウス工業は、大阪市此花区で、冷凍冷蔵設備を設けるマルチテナント型物流施設「DPL大阪舞洲」の開発を進めている。

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 大和ハウス工業は、大阪府大阪市此花区で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「DPL大阪舞洲」が2022年6月1日に着工したことを2022年6月1日に発表した。

マイナス25度からプラス5度までの温度設定を行える冷凍冷蔵設備

 近畿圏では、EC(電子商取引)関連の物流量増加を背景に、マルチテナント型物流施設の需要が高まっている。具体的には、新規需要が新規供給を上回る状況が続いており、空室率も減少傾向にある。なかでも舞洲が位置する南港や天保山などの湾岸地域は、大阪市内からのアクセスに優れ、輸出入貨物も取り扱えるため、物流施設の適地として開発が進んでいる。

 一方、高齢化や共働き世帯の増加、コロナ禍による中食(なかしょく)の浸透により、冷凍食品などの加工食品利用が増加し、全国的にコールドチェーン(低温物流)の市場規模が拡大しており、近畿圏でも冷凍冷蔵仕様の物流施設が不足している。

 こういった状況を踏まえ、大和ハウス工業では大阪市此花区で、冷凍冷蔵設備を導入したマルチテナント型物流施設のDPL大阪舞洲を開発することとした。

 開発地は、阪神高速湾岸線「湾岸舞洲インターチェンジ(IC)」から約1.5キロの場所に位置するため、近畿エリアの物流拠点としてだけでなく、名古屋市まで約2時間30分(約180キロ)でアクセス可能で、広域輸送拠点としても機能する。さらに、国際物流ターミナルが整備されている「大阪湾」に近接しており、「関西国際空港」と「神戸空港」まで自動車で約40分圏内であるため、陸路輸送だけではなく、海路・空路輸送にも対応する。

 開発地の北側には、「舞洲東」バス停があり、JR大阪環状線「西九条」駅から大阪シティバスが運行しているため、施設内の従業員による通勤など就労環境も整っている。

 DPL大阪舞洲は、地上8階建てで、最大27社のテナント企業様が入居できるマルチテナント型物流施設。加えて、冷凍食品需要の高まりに伴うコールドチェーン(低温物流)に対応するために、1〜4階に冷凍冷蔵設備を設置し、最大15社のテナント入居を実現。今回の設備は冷凍食品から乳製品、野菜までを保管するために、マイナス25度からプラス5度までの温度設定を行えるようにする。

 5〜7階は常温保管する区画を設置しているため、医薬品など冷凍冷蔵から常温までの温度管理が必要なテナントのニーズにも応えられる。


マルチテナント型物流施設「DPL大阪舞洲」の外観パース(左)と俯瞰パース(右) 出典:大和ハウス工業プレスリリース

DPL大阪舞洲の概要

 DPL大阪舞洲は、RC造・S造地上8階建てで、延べ床面積は11万5989.48平方メートル。所在地は大阪府大阪市此花区北港緑地1丁目1-18で、敷地面積は2万4731.17平方メートル。設計・施工は戸田建設が担当し、着工は2022年6月1日で、竣工は2024年5月31日、稼働開始は2024年6月1日を予定している。


マルチテナント型物流施設「DPL大阪舞洲」の広域地図(左)と周辺地図(右) 出典:大和ハウス工業プレスリリース

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