病院のリノベによる有料老人ホームが京都で竣工、三菱地所レジデンス初の取り組み:リノベ
三菱地所レジデンスは、京都府京都市中京区で病院をリノベーションし開発を進めていた有料老人ホーム「プレザングラン京都円街」が2022年4月1日に開業することを公表した。病院を有料老人ホームにリノベーションする事業は、三菱地所レジデンス発足以来、初の取り組みになるという。
三菱地所レジデンスは、京都府京都市中京区で病院をリノベーションし開発を進めていた有料老人ホーム「プレザングラン京都円町」が2022年2月21日に竣工したことを同年3月18日に発表した。
JR山陰本線「円町」駅から徒歩8分の場所に位置
開発地は、JR山陰本線「円町」駅から徒歩8分の場所に位置し、周辺の商業施設や自然に囲まれ、交通利便性に優れた地域に立地する。
プレザングラン京都円町は、三菱地所レジデンスが、入院病棟だった病院を取得しリノベーションしたもので、建物の面影を残し、地元住民にもなじみやすいように配慮している。改修では、病院と有料老人ホームの親和性が高く動線とレイアウトも近い点を踏まえ、残せる部分を活用した。
しかし、実際の改修工事では、既存図面や表面の見た目では状態が分からない部分があり、解体して初めて寸法や収まりを確かめられる部分があった。解決策として、解体しながら各階を貫通する配管の位置や大きさを測量し、図面を修正しながら進めるといった難しい作業を実施して、竣工に至った。
今回の施設は、リノベーションのコンセプトとして「HOME×TOWN」を掲げ、入居者にとって、各居室は「HOME=家」で、共用部分は「TOWN=街」と捉え、共用部のエントランスホールやダイニング、談話コーナーを他の入居者とコミュニケーションを楽しめる場とし、暮らしに変化を与えている。
エントランスホールは、これまで案内所と廊下があったエリアで、空間を広く取り、腰掛けられるベンチを設け、明るく来訪者を出迎えられる受付を備えることで、高級感がある空間を実現した。
加えて、病院だった時に食事スペースが各居室や3〜4階の狭い空間しかなかった点を考慮し、リノベーション後は1階に厨房と広いダイニングを完備したことで、入居者が集まってもゆとりをもって食べられ、自然と入居者同士が交流を図れる空間に仕上げた。
さらに、これまで建物の南西に食堂と談話スペースを用意していたが、今回の施設では、2〜4階の建物中央に談話コーナーを搭載することで、どの居室からもアクセスしやすく、入居者同士のコミュニティー形成を促進している。また、スタッフルームが隣接しており利便性が高く、各階で色を変えることでいつでも新鮮な印象を与えられる空間とした。
居室は、スタッフルームと談話コーナーを各フロアの中心に配置し、周囲に各居室を設置。建物の外観では、従来施設のイメージを継承しつつ、周辺建物へも環境した優しい色合いで再塗装を施し、限られたスペースに豊かな植栽を設けた。
こういったさまざまな取り組みが評価され、建物は京都市・みやこユニバーサルデザイン優良建築物の適合プレートを取得した。
運営はケア21に委託し、三菱地所レジデンスとケア21の協業は関西で初めての取り組みになる。ケア21は、介護付き有料老人ホームのブランドとして「プレザンメゾン」「プレザングラン」の2ブランドを有し、今回の施設はプレザングランとして開業する。
プレザングラン京都円町の概要
プレザングラン京都円町は、S造地上4階建てで、延べ床面積は3865.29平方メートル。所在地は京都府京都市中京区西ノ京塚本町3-1で、敷地面積は1961平方メートル。室数は80室で、居室面積は18.49〜34.54平方メートル。設計・監理はIAO竹田設計が担当し、施工は柄谷工務店が担い、竣工は2022年2月。月額利用料は25.66〜77.02万円。
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