岩手県紫波郡矢巾町で延べ9.9万m2のマルチテナント型物流施設が着工、プロロジス:リテール&ロジスティクス
プロロジスは、岩手県紫波郡矢巾町で、マルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」の起工式を2022年3月30日に行った。入居予定の3PL企業は、北東北における拠点戦略の見直しに伴いプロロジスパーク盛岡への入居を決定した。
プロロジスは、岩手県紫波郡矢巾町で開発を進めていたマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク盛岡」が着工したことを2022年3月30日に発表した。
東北縦貫自動車道「盛岡南インターチェンジ」から約4.7キロ
同社はこれまで、東北エリアでは宮城県仙台市の市場を中心に物流施設を提供してきた。しかし、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働への上限規制が厳格化する「2024年問題」と災害への備えへの対応として、東北エリアでは拠点分散化のニーズが増加している。
そこで、東北の物流ハブとなっている仙台エリアだけでなく、北東北への中継地点として、岩手県紫波郡矢巾町への物流施設開発ニーズが伸長すると見越し、プロロジスは、プロロジスパーク盛岡の開発を決定した。
開発地は、東北縦貫自動車道「盛岡南インターチェンジ」から約4.7キロの場所にあり、県道13号線からも約1.5キロと近い。さらに、盛岡市を中心とする消費地にアクセスしやすく、3時間以内に、仙台や本州の最北に足を運べる他、国道46号線を利用することで秋田県への配送利便性にも優れているため、青森県、秋田県、岩手県の東北3県を含む東北地方広域への配送拠点として適している。
開発地に隣接する物流集積拠点「岩手流通センター」は、大手物流企業が利用しており、東北三県の物流ハブとなっている。
プロロジスパーク盛岡は、S造地上3階建てのマルチテナント型物流で、上りと下り専用のスロープを設け、各階のトラックバースに45フィートコンテナセミトレーラーがアクセス可能な仕様する。ワンフロアでの最大賃貸面積は約1万9000平方メートルで、最小面積は約5000平方メートルからとし、最大12社の入居が可能。
各区画は、片面バース、両面バース、高床式、低床式を組み合わせた仕様とし、入居企業の多様なオペレーションのニーズに応える。
具体的には、1階は低床式で床荷重は1平方メートル当たり2トンで重量物にも対応。2階は、中央車路を挟んで西側の区画は4面にバースを設け、東側の区画は片面バースとなる。3階は、中央車路を挟んだ東西2区画に専用バースを備える。
倉庫は中央車路を採用することで降雨・降雪時にも安全な通行と荷さばきを実現する。寒冷地・積雪対策としては、敷地内と建物に融雪ヒーターや除雪スペース、チェーン脱着場の設ける。
敷地内に植えられている樹木は、エントランス仕上げ材や施設内のファーニチャーとして再利用する。加えて、無人コンビニを併設した休憩スペースの整備などで、快適に働ける環境を整える。また、防災とBCP(事業継続計画)の対策で、緊急地震速報システム、衛星電話、非常用発電機などを完備する。
環境配慮に関しては、センサー付きLED照明の採用と屋根面に太陽光発電システムの導入を検討している。
プロロジスパーク盛岡の概要
プロロジスパーク盛岡は、S造地上3階建てで、延べ床面積は9万9592.21平方メートル。所在地は岩手県紫波郡矢巾町大字広宮沢で、敷地面積は7万3713.12平方メートル。着工は2022年3月で、竣工は2023年冬を予定している。
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