三井住友建設らが重量床衝撃音低減工法を初適用、7dbの低減効果を確認:導入事例
三井住友建設は、金沢工業大学と三昌フォームテックで共同開発した重量床衝撃音低減工法「SSTボイドスラブ」を、施工を進める共同住宅における共用部の一部に初めて適用した。
三井住友建設は、金沢工業大学と三昌フォームテックで共同開発した重量床衝撃音低減工法「SSTボイドスラブ」を、施工を進める共同住宅における共用部の一部に初めて適用したことを2022年4月19日に発表した。
従来のボイドスラブと同様の施工性を実現
共同住宅やホテルなど、室内の静ひつ性が求められる場所では、人の歩行や飛び跳ねなどによる重量床衝撃音を低減させる必要がある。そこで、三井住友建設は、金沢工業大学と三昌フォームテックとともに、SSTボイドスラブを開発した。
SSTボイドスラブは、スラブのボイド材内部に同調質量ダンパー(TMD)※1を配置し重量床衝撃音を低減させるもので、一般的なハーフPCa板に用いられるボイドスラブに対して、スラブ厚を厚くすることなく室内の防音性を高められる。
※1 TMD:Tuned Mass Damperの略称。振動する対象物(ここではコンクリートスラブ)に付加した質量体(重り)が、床の振動に共振することで振動を抑制する装置。
具体的には、ボイド材の内部に配置したTMDが床の振動に共振し、振動を抑えることで重量床衝撃音をカットする。さらに、TMDを構成する重りとバネはPCa工場で事前に設けることから、従来のボイドスラブと同様の施工性を実現している。
加えて、スラブ厚を変えずに遮音効果を高めるだけでなく、同じ遮音効果でスラブ厚を減らして、より高い天井の居住空間を構築できる。
今回の適用時に実施した音響測定で、重量床衝撃音に対し、同じ厚みのボイドスラブと比べて、7デシベルの低減効果を確認した。
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