住友林業が床への衝撃音を大幅に吸収する“高遮音床”を開発、賃貸住宅に採用
住友林業、住友ゴム工業、マックストンは共同で、賃貸住宅のフローリング向けの“高遮音床”を開発した。創業以来「木」を軸に事業を展開してきた住友林業の木の知見と木造住宅のノウハウ、熊本城への制振ダンパー納入実績がある住友ゴムのタイヤ材料研究の知見、住宅建材の開発に携わり続けているマックストンの各技術を集結させ、業界最高レベルの高遮音性を備えた床を実現させた。
住友林業、住友ゴム工業、マックストンは共同で、賃貸住宅向けの高遮音床を開発した。既に住友林業の賃貸住宅「フォレストメゾン」に採用が決まっているという。
鉄骨造よりも6ランク上の遮音性を実証
独自開発した高遮音床は、オリジナル部材「防振ゴム」と「遮音モルタル板」を使用し、床への衝撃音を大幅に軽減。住友ゴムが自動車用タイヤで培った配合技術を応用した防振ゴムと、マックストン独自の成形方法による高強度な遮音モルタル板を組み合わせている。
高遮音床の特徴はゴムの形状にあり、ゴムシートに突起状のゴムを付けることで、防振ゴムと遮音モルタル板の間に隙間を設け、上階からの振動を防振ゴムで吸収し、下階へ伝えない防振構造とした。また、遮音モルタル板は、簡易施工を考慮して、サイズと重量を調整している。
近年は、居住者のライフスタイルが多様化する中、賃貸住宅に求められる性能は高まりつつある。LIXIL住宅研究所の賃貸住宅に対する不満の調査では、「上階の足音や声が響く」がトップだった。住友林業では、「遮音性の高い床の導入は、賃貸住宅の性能と入居者の満足度を高める上で、大切な要素」とみている。
今回の共同開発に際しては、住友林業の研究施設「筑波研究所」で、実棟に即した実験でLL値(軽量床衝撃音)で35という鉄骨造より6ランク上の遮音性、LH値(重量床衝撃音)で50の鉄骨造より3ランク上の遮音性を達成した。
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