コロナ禍でも「建設技術者」と「建設技能工」の人材需給は高まる:建設業の人材動向レポート(41)(2/2 ページ)
本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、建設業における2021年の人材需給動向を分析している。
2022年も建設技術者と建設技能工の人材需給は逼迫した状況が続く
このように人手不足がますます厳しくなっている建設技術者と建設技能工の今後の需要動向を探るために、厚生労働省の「労働経済動向調査」から過不足状況判断D.I.(不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値)をみてみると、建設技術者は2020年2月調査の68ポイントから同8月調査では44ポイントと大きく低下している。その後は上昇傾向が続き、直近の2021年11月調査では63ポイントとなり、再び人手不足感が高まっている(図表3)。同様に建設技能工についても、2020年2月調査の60ポイントから同8月調査では44ポイントと大幅に低下したが、その後は上昇傾向となり、2021年11月調査では54ポイントとなった。
このように、2020年にはやや緩和した建設技術者および建設技能工の人手不足感も、2021年11月においては再び厳しくなり、2022年についても建設技術者および建設技能工の人材需給は逼迫(ひっぱく)した状況が続くことが予想される。
著者Profile
建設HR
建設HRは、総合人材サービス事業を行うヒューマンリソシアが運営する「建設人事のお悩みに寄りそう」をコンセプトに、建設業界人のお困りごとに寄りそい、ともに向き合い、ときには半歩先の未来を提案するHRビジネス・パートナーとして、さまざまな記事などを発信するメディア。
同編集部では、建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析に関する独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信も行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 産業動向:2022年度公共事業関係予算は国土強靭化で、要求額以上の予算規模
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2022年2月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、2022年度の政府予算案から、国土交通省の公共事業関係予算について調査している。 - 産業動向:「建設技術者は3.2万人、建設技能工は23.2万人が不足」2030年の未来予測
建設HRは、建設技術者と建設技能工に関する将来の人材需給動向について、「ベースライン成長」「成長実現」「ゼロ成長」の3種類の経済成長パターンで2030年までの未来予測をシミュレーションした。 - 産業動向:建設技術者となる大学新卒者は10年間で1.7倍に増、女性の就職者も10年で2.5倍
建設HRは、国内における建設業の人材市場動向をまとめた2022年1月分のマンスリーレポートを公表した。今月は、大学新卒で建設技術者として就職する学生数について独自に調査した。 - 建設業の人材動向レポート(40):「昨年は公共工事が下支えも今後はやや減少か」建設市場の2021年振り返りと2022年展望
本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR」が独自に調査した建設業における人材や市場動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、「建設総合統計」をベースに、建設市場の2021年振り返りとともに、2022年の動向も予測している。 - 産業動向:「2021年は建設技術者の需要が五輪前を上回る、2022年はさらに需給が逼迫」建設業界人材動向を独自分析
建設HRは、2021年の建設業界における人材動向と、2022年の予測を独自に分析した。レポートでは、2021年の建設技術者需要は、特需に沸いた東京オリンピック前を上回り、2022年の人材需給はさらに逼迫すると推測している。 - 建設業の人材動向レポート(39):「2021年度の建設投資総額は前年を2.9%上回り、15年度以降で最大規模」建設投資見通し
本連載では、ヒューマンリソシアが運営する「建設HR(旧ヒューマンタッチ総研)」が独自に調査した建設業における人材動向について、さまざまな観点で毎月レポートを発表している。今回は、国土交通省の「2021年度建設投資見通し」を基礎資料に、今後の建設市場を予測した。