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「2021年は建設技術者の需要が五輪前を上回る、2022年はさらに需給が逼迫」建設業界人材動向を独自分析産業動向(1/2 ページ)

建設HRは、2021年の建設業界における人材動向と、2022年の予測を独自に分析した。レポートでは、2021年の建設技術者需要は、特需に沸いた東京オリンピック前を上回り、2022年の人材需給はさらに逼迫すると推測している。

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 総合人材サービス会社のヒューマンリソシアが運営する建設人事のお悩みに寄りそうオウンドメディア「建設HR」は、人材不足が深刻な建設技術者について、2021年の人材需給動向をまとめ、独自分析レポートとして2021年1月13日に発表した。

 レポートでは、厚生労働省が公表する「一般職業紹介状況」から、求人数、求職者数、そして有効求人倍率などを分析し、建設技術者は2022年も人材需給が逼迫(ひっぱく)すると推測した。

■2021年の建設技術者の人材需要は、東京五輪前の2019年を上回る高水準で推移

 過去3年間の建設技術者(建築・土木・測量技術者)の有効求人数について調査したところ、2021年は現在公表されている10カ月全てで2020年を上回った。また、2019年と比較しても、1月と7月の2カ月以外は求人数が上回った(図表1)。


【図表1 建設技術者の有効求人数の月別推移】 出典:厚生労働省「労働経済動向調査」より建設HR 編集部が作成

 各年の平均有効求人数について、過去3年間を比較すると、2021年は5万8705人で、2020年(同5万4265人)を8.2%、2019年の(同5万8373人)を0.6%上回った※1。このことから、2021年の建設技術者の人材需要は、東京オリンピックに向けて工事量がピークに達していた2019年に匹敵する水準となった(図表2)。

※1 各年の有効求人数を比較するために、平均有効求人数を算出。平均有効求人数は、2021年の「一般職業紹介状況」の最新データが10月まで公表されていることに合わせ、各年の1月から10月までの有効求人数の累計から導き出している


【図表2 建設技術者の平均有効求人数の比較】 出典:厚生労働省「労働経済動向調査」より建設HR 編集部が作成

■建設技術者の有効求職者数は、2021年5月以降には減少へ転じる

 建設技術者の有効求職者数について、過去3年間を月別に比較すると、2021年の有効求職者数は、10カ月間の全月で2019年を上回った。増加傾向が続いていた有効求職者数も2021年5月以降は減少傾向に転じ、2021年8月以降は2020年を下回っている(図表3)。今後、有効求職者数の減少傾向が続くことにより、人材供給が逼迫することが危惧される。


【図表3 建設技術者の有効求職者数の月別推移】 出典:厚生労働省「労働経済動向調査」より建設HR 編集部が作成

 各年の平均求職者数について、過去3年間を比べると、2021年は9767人で、2020年(同9217人)を6.0%、2019年(同8757人)を11.5%上回った。このことから求職者数は、増加傾向が続いていることが分かる(図表4)。


【図表4 建設技術者の平均有効求職者数の比較】 出典:厚生労働省「労働経済動向調査」より建設HR 編集部が作成
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