LIXILが高性能ハイブリッド窓を発売、フレームをスリム化しガラス面積を約30%拡大:製品動向
LIXILは、2021年5月に上市したアルミ窓「サーモスA」や2021年8月に発売した樹脂窓「EW」、2021年11月に販売開始したハイブリッド窓「サーモスII-H/L」に続く高性能窓として、トリプルガラスの高性能ハイブリッド窓「YW」を2022年2月に西日本で発売した。東日本では2022年4月の発売を予定している。
LIXILは、トリプルガラスの高性能ハイブリッド窓「TW(トリプルガラス仕様・複層ガラス仕様)」を2022年2月に西日本で発売した。
外皮性能水準「G2」レベルにも対応
国内では、政府が推進する目標「2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて、脱炭素化の取り組みが増えている。環境省によれば、住宅を含む家庭部門のCO2削減目標は66%(2013年度比)と他の部門に比べて最も高い数値が設定され、住宅の高性能化による省エネルギー化は重要な施策の1つと位置付けられている。住まいの中でも、とくに窓や玄関ドアなど、開口部からの熱流出は全体の約6割と大きく、開口部を高性能化することはCO2の削減に貢献する。
しかし、通常、開口部を広く確保することは、光や景色を多く採り込めるために理想とされているが、開口部を広くすればするほど寒さや暑さは室内に侵入しやすくなる。とくに南北に長い日本列島では、地域や季節よって気温や湿度が大きく異なり、断熱対策が不可欠となる。
そこでLIXILは、この相反する課題を解決する新しい窓として、日本の四季を美しく切り取るパノラマウィンドウとしても機能する高性能ハイブリッド窓のTWを開発した。
ハイブリッド窓は、アルミの良さと樹脂の良さを融合させた窓で、室外側に強度・耐久性に優れたアルミを採用することで雨、風、日差しによる劣化を防止し、室内側には断熱性に優れた樹脂を採用することで熱の出入りを抑制する。この優れたハイブリッド構造と、一般複層ガラスの約4.8倍に相当する断熱性能を誇るトリプルガラスを掛け合わせたのがTW。
TWは、シンプルで洗練されたデザインを採用したもので、「フラットタイプの単体引き違い窓(複層ガラス)」「単体引違い窓(トリプルガラス)」「単体引違い窓(複層ガラス)」「防火戸 単体引違い窓(複層ガラス)」の4種類を用意している。
各タイプは、従来品と比べフレームをスリム化しガラス面積を約30%拡大することで、住宅に調和しやすく、内と外をつなぎ開放感あふれる空間を演出し、引違いのタイプを4枚建てで使用する際には、新構造のスレンダーマリオンを採用することで、より多くの光や景色を採り入れることが可能になっている。
TWのカラーには新色のダスクグレーを追加している。ダスクグレーは、薄暮の時間帯をコンセプトとし、ごくわずかに青みを感じる低彩度の色で、住宅になじみやすく、形材のトップ層に高耐候型アクリル塗料を適用したテクスガードを採用することで、高い耐候性と耐食性で長期に渡り美しい風合いを維持する。
また、20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20)の外皮性能水準「G2」レベルにも対応する断熱性能(熱貫流率0.98ワット/平方メートル・カルビン)を有し、台風や大雨に配慮した最高レベルの耐風圧性能や水密性能、長期使用を考慮した高い耐久性も実現した。
さらに、生活者の視点に立って使いやすさを追求し、フラットタイプの引違い窓では下枠の段差をなくすことで、つまずきや転倒をしにくい仕様とし、掃除もしやすくした。加えて、家の建材や家電がトータルでつながるIoTホームリンク「Life Assist2」と連携することで、リモコンやスマホで簡単に操作できるように仕上げた。
参考価格は、フラットタイプの単体引き違い窓(複層ガラス)が26万7700円で、単体引違い窓(トリプルガラス)は38万100円、単体引違い窓(複層ガラス)は24万4200円、防火戸 単体引違い窓(複層ガラス)は57万6300円、いずれもサイズは1690(幅)×2030(高さ)ミリで、Low-E 複層ガラス アルゴンガス入り、内外観はブラックを使用した場合で、網戸代や消費税、取り付け費、運賃を除いた値段。
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