清水建設、デジタル技術で1つのオフィスにいるような感覚を仮想空間に:導入事例
清水建設は、時間と場所を選ばないニューノーマル時代の新たなオフィスの在り方として、デジタル技術で場所と人を結びパフォーマンスの向上に資する「SHIMZ CREATIVE FIELD」を提案した。場所を問わず、1つのオフィスにいるような感覚で一体感をもって仕事ができるという。
清水建設は、時間と場所を選ばないニューノーマル時代の新たなオフィスの在り方として、デジタル技術で場所と人を結びパフォーマンスの向上に資する「SHIMZ CREATIVE FIELD」を提案した。本社や支店、サテライトオフィスや自宅の社員をデジタル技術で結び、1つのオフィスにいるような感覚で一体感をもって仕事ができる大きな“仮想”空間だ。
コロナ感染症の感染拡大を機に多様な働き方が進み、仕事のパフォーマンスの低下や帰属意識の希薄化が懸念され、新たなオフィスの在り方が模索されている。
提案の一環として、本社17階の設計本部フロアを改修してコミュニケーションハブとし、多様な働き方に対応するゾーニングと徹底した感染症対策、ミーティングゾーンの充実、独立した個人席やソファ席、リチャージスペースなどを設けた。
SHIMZ CREATIVE FIELDの特徴は、高精度測位が可能な位置情報システムで、個々の社員を認識し、各勤務地の座席配置を示したレイアウト図上に所在を表示、プライバシーを守りつつ、オフィスの状態をライブ配信できることだ。利用者は、PCやタブレットなどで関係者の所在や各ゾーンの空き状況の確認、氏名での所在検索もできる。同じ空間にいるような感覚で関係者の居場所や仕事の状況を確認でき、コミュニケーションを交わせる。
また、個人の1分ごとの移動履歴データの蓄積により、各ゾーンの使用頻度が求まり、適切な改善ができる。この継続によりパフォーマンスが向上するオフィスへと進化する。また、コロナ下では濃厚接触者の瞬時の把握、個人で履歴を振り返りることで業務の効率化が図れる。
さらに、位置情報システムと同社開発の建物OS「DX-Core」の連動により、快適環境の提供と省エネを図る。また、順天堂大学と共同開発した建物内感染リスクの評価手法「感染リスクアセスメントツール(オフィス版Ver.1.0)」でリスクを低減し、常時の健康と非常時の安全を両立させた。
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