現場帳票のペーパーレス化と作業間調整会議のリモート化を推進、西松建設:ICT
西松建設は、現場の生産性向上を図るために、イーリバースドットコム製のWebサービス「Buildee調整会議」を用いて、帳票のペーパーレス化や作業間調整会議のリモート化を実現する取り組みを行っている。また、Buildee調整会議に入力した作業実績データ(作業内容、人工など)を出来高計算や死傷統計といった報告に利活用することで、各業務を効率化する。
西松建設とイーリバースドットコムは、現場の生産性向上を図るために、帳票のペーパーレス化や作業間調整会議のリモート化に着手したことを2021年12月21日に発表した。
2021年12月に一部の現場で試行を開始
建設現場では、作業進捗や翌日の作業予定、車両搬出入予定、クレーン・機材の使用予定確認と調整をはじめ、安全指示、危険箇所・立入禁止エリア、行事を周知するため、「作業間調整会議(作業打ち合せ)」を毎日行う。
作業打ち合せの結果は、「作業打ち合せ簿」や翌日の「危険予知活動記録」といった帳票に記録され、協力会社の安全衛生責任者や職長などによる受領とサイン、元請けの回覧と捺印(なついん)を経て保管される。
上記の業務と会議を効率化するために、西松建設は、2018年7月にイーリバースドットコムが提供するWebサービス「Buildee調整会議」を同社の土木・建築部門に全社導入した。
しかし、作業打ち合せ簿などの帳票は、Buildee調整会議で作成・出力した後に、関係者間で回覧し、サインと捺印して、保管するといった「紙媒体での運用」となっており、システムと紙の二重管理による手間があった。さらに、サインと捺印のために対面で会議に参加する必要があり、職員や職長の会議室への移動が生じていた。
そこで、西松建設は、イーリバースドットコムが開発したBuildee調整会議の電子承認機能を活用し、作業打ち合せ簿などの現場帳票ペーパーレス化と作業間調整会議のリモート化を実現する取り組みを開始した。
具体的には、現場帳票のペーパーレス化などは、2021年12月に一部の現場で試行を開始しており、2022年4月に全国の現場へ本格展開する予定だ。
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