三井住友建設が床版取替工事向け床版切断システムを開発、作業速度は1.5倍:導入事例
三井住友建設は、鋼・RC合成桁橋の床版取替工事で、既存RC床版の鋼桁との接合部に使用する床版切断システム「水平カッター」を開発した。水平カッターは、従来のワイヤソーを用いた切断作業と比較して約1.5倍のスピードでカットが行える。
三井住友建設は、大規模インフラ更新事業における鋼・RC合成桁橋の床版取替工事で、既存RC床版の鋼桁との接合部(スタッド・ずれ止め)に使用する床版切断システム「水平カッター」を開発したことを2021年12月10日に発表した。
粉塵と振動の発生はほとんどない
これまで、鋼・RC合成桁橋の床版撤去作業は、鋼桁間の床版を垂直に切断し先行して取り除き、鋼桁とスタッドなどのずれ止めで接合された部分はウォータジェットやワイヤソーなどで取り外していたため、手間がかかり、効率化と安全性に課題があった。
そこで、三井住友建設は水平カッターを開発した。水平カッターは、幅や厚みが異なる床版に対応可能な固定台と2機のウォールソーで構成されている。さらに、切断作業はウォールソーが自動で走行レールに沿って水平移動するだけで、従来のワイヤソーを用いた切断作業と比較して約1.5倍のスピードでカットが行える。
加えて、カッターブレード自体が独自開発しが専用の鋼製カバーで覆われており、作業時に破片の飛び散りがなく安全に切断ができる他、軽作業で施工が可能で、粉塵(ふんじん)と振動もほとんど発生しない。
また、切断面が平滑で鋼桁との接合面ぎりぎりで切断するため、新たに設置する床版との接合部における下地(ケレン)作業を最小化する。
三井住友建設では既に、SMCプレコンクリートの栃木工場で水平カッターの実証実験を行った後、島根県内にある中国自動車道「蓼野(たでの)第四橋」の床版取替工事で試験導入している。
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