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【連載】FMの祭典と新刊「新・第四の経営基盤」、ファシリティマネジメントのISO/JISの意義JFMA調査研究部会のFM探訪記(4)(2/2 ページ)

本連載では、日本ファシリティマネジメント協会(JFMA) 専務理事 成田一郎氏が「JFMA調査研究部会のFM探訪記」と題し、JFMA傘下で、マネジメントや施設事例、BIM×FMなどの固有技術をテーマにした合計18の研究部会から成る「調査研究部会」での研究内容を順に紹介していく。第4回は、毎年恒例の「日本ファシリティマネジメント大会(ファシリティマネジメントフォーラム)」とFMを経営的な視点で捉えたJFMAの新書、FMのISO/JIS発行に伴う解説書について触れる。

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◆「国家規格JIS Q 41001 ファシリティマネジメント 入門ガイド」発刊

 FMは急速にグローバル化し、世界中の国々が国際標準化機構(ISO)の作成などに参加しています。FMのISOは、2012年に専門委員会が設立され、検討が始まりました。日本(JFMA)も当初より参加し、2013年の第2回全体会議は日本で開催され、2018年4月には「ISO 40001」が認証規格として発行されました。

 さらに国内でFMの普及促進を図るためには日本語化、つまりJIS化が必要と判断し、日本規格協会と共同で、FM JIS原案共同作成事業を実施し、2021年8月に、日本産業規格「JIS Q 41001」として発行されました。ISOの検討から数えますと、実に9年の歳月を要しましたが、関係者各位の努力の賜物(たまもの)です。

 ISOやJISというと書類主義で堅苦しく感じる方もいますが、認証システムも進化しています。加えて、当初より規格策定の委員会に参加して、FMの前の教科書「総解説ファシリティマネジメント」の内容を含め、日本側の意見を反映しています。何より世界中のFMの専門家の英知を集めた内容を利用しない手はありません。組織でFMを導入し、進めていくには、JIS Q 41001が大いに参考になります。JISの認証を取得すれば、ISOの認証を取得したことになりますが、認証を取得するか否かにかかわらず、内容は業務の参考になりますので利用していただきたいものです。

 JIS原本は、「JIS Q 41001:2021 ファシリティマネジメント―マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引」(A4判 p56、発行:日本産業標準調査会審議/日本規格協会)です。


「JIS Q 41001:2021 ファシリティマネジメント―マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引」 提供:JFMA

 JFMAでは、JISの内容を分かりやすく小冊子にまとめました。「国家規格JIS Q 41001 ファシリティマネジメント 入門ガイド」(A5判 p112、出版:JFMA)をご参考にしてください。

 なお、FMの資格や認定ファシリティマネジャー受験用の教科書「公式ガイド ファシリティマネジメント」は、ISO作成と並行して執筆しましたので、その内容は整合性がとれています。

 私たちは、組織でFMを実践するには、認定ファシリティマネジャーとISO(JIS)は自転車の両輪のようなもので、個人では認定ファシリティマネジャーの取得を、組織ではISO(JIS)の取得されることをお勧めしています。ぜひ、両輪にトライしてください。


「国家規格JIS Q 41001 ファシリティマネジメント 入門ガイド」 提供:JFMA

 FMはますます進化しています。しかしその基本、FMを通して「人々・組織・社会(地球)を幸せにする」というFMのミッションは変わりません。私たちはコロナ禍でさまざまな面でダメージを受け、変革を余儀なくされていますが、いま一度、FMの重要性や価値を見直し、FMを各人の課題解決に役立てていただければ幸いです。

著者Profile

成田 一郎/Ichirou Narita

2011年7月、社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会(現・公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会:JFMA)常務理事兼事務局長に就任。2016年6月には日本ファシリティマネジメント協会 専務理事に就任し、現在に至る。

一級建築士。認定ファシリティマネジャー。

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